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ちくま新書

スーパーリッチ ――世界を支配する新勢力

多くの先進国の経済では資本主義を採用している。資本主義経済になってくるとどうしても「貧富の差」といった「経済格差」は出てくる。しかしながらその度合いが大きくなることもあり、富の90%を富裕層が支配するといった事も少なからずある。 そのため本書で紹介されるスーパーリッチの存在もまた、資本主義の中ではどうしても生まれてくる事は自然のことである。とは言えど多くの国が資本主義として採用している現状を鑑みる […]

介助の仕事 ――街で暮らす/を支える

「介助」や「介護」と言う言葉がここ最近でもよく聞き、なおかつ相容れられているように見えるのだが、現実としてはけっこう厳しい状況にある。その要因としては介助を行う方々の需要は多いにもかかわらず、人手不足が挙げられる。また介助を行う方々にも直面する「困難」に立ち向かわなければならず、その部分で困難を極めることも少なくない。 本書はその介助を行う方々の現実と制度、さらには組織について取り上げるとともに、 […]

香港危機の700日 全記録

中国の中で最も有名な都市となるといくつかあるのだが、中でも香港は特別行政区として指定され、なおかつ1997年までは中国大陸でありながらイギリス統治下にあったことから中国とは異なる変化を遂げてきた。そのため中国のようで中国ではないような特色があり、一国二制度もあってそれが認められた状況だった。 しかしその状況も「2019年逃亡犯条例改正案」の法案提出と「香港国家安全維持法」の成立によって大きく変わっ […]

問いの立て方

「問い」というと、テストなどの問題を連想してしまうのだが、本書で言うところの「問い」は、様々な研究において、考えるべき「命題」という意味合いが強い。特に哲学の側面ではこの「問い」に対して、どのような答えを結びつけたら良いのかがあるため、答えを良くする前に、「いい問い」と呼ばれる、考察や回答の側面で答えやすい、あるいは深い答えを導き出すための「問い」を出すことが求められる。 そう考えるとある種の「質 […]

医者は患者の何をみているか―プロ診断医の思考

私自身、病院に行くことはあまりない。そのため医者の診断はどのようにやっていくのかはハッキリとわからない。しかし病気になった方々が医者にかかることはあるのだが、医者の立場からして、どのような診断を行っていくのかは少し興味深い。 さて、医者はどのように病気を診断し、治療に導くのか、本書は現役医師の立場から診断するまでのプロセスを明かしている。 第1章「診断とは」 なぜ「診断」をするのか、それは病気と原 […]

保育園に通えない子どもたち

保育園の「待機児童」について取り上げるメディアは少し前まであったのだが、ここ最近では新型コロナウイルスや東京オリンピックのことが中心となることが多く、あまり取り上げられない実情がある。 もっとも保育園に通えないのであれば幼稚園に通えばいいじゃないかという意見もあるのだが、根本的に「幼稚園」と「保育園」には大きな違いがある。まずは目に見えないところで言うと、「幼稚園」は文部科学省管轄である一方で、「 […]

原発事故 自治体からの証言

今から10年前に起こった東日本大震災、そしてそこで起こった福島第一原子力発電所事故がある。中には「事件」として取り上げられるメディアも少なくない。実際に現在進行形で起こっており、地域によっては「帰宅困難地域」に指定され、帰宅することもままならない状態でいる所もある。 原発事故が起こったこと、そして各自治体がどのような対応を行ったのか、各自治体の職員らの証言をもとに綴られたのが本書である。 第一章「 […]

村の日本近代史

よく教科書などで取り上げられる「日本史」は中央はもちろんのこと、主要都市における出来事など多い。しかし都市や中心地から離れた「村」にもまた「歴史」が存在する。では村はどのような歴史を辿っていったのか、本書は近代から現代にかけてを取り上げている。 第1章「村の近代化構想―織豊政権期」 元々「村」は単なる人の集まりであった。その人の集まりによって伝承が生まれることもあった。しかし秀吉の天下統一に伴い、 […]

メディア論の名著30

昨今では政治や社会に関してメディアがどっぷりと浸かることはよくある話だが、メディア自身で大衆に対し「印象操作」を行うような風潮がある。その操作を行うようなニュアンスの報道を行い、他のメディアにて批判を行うといったことも少なくなく、明らかな誤報であったにもかかわらず、謝罪ならまだしも訂正するようなメディアはめったにない。 本書の話に移るのだが、そのメディアに関して、考察などを行った海外の名著を紹介し […]

ロマネスクとは何か ――石とぶどうの精神史

「ロマネスク」と言う言葉自体は聞いたことがある方は数多くいるかもしれない。しかし根本的な意味を聞くとわからない方が多いかも知れない。「ロマネスク」とは、 中世、11世紀から12世紀中葉にかけて南フランスをはじめ西ヨーロッパ諸国に行われた建築・彫刻・絵画の様式。ゴシック様式に先だち、教会建築を中心とし、古代ローマやゲルマンの諸要素と共に、東方趣味の影響をも受けている「広辞苑 第七版」より とあり、中 […]