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事件

神々の復讐 人喰いヒグマたちの北海道開拓史

すでに時期は冬に入っており、熊を始め一部の動物は「冬眠」の時期に入り、ある意味落ち着いたシーズンと言える。それ以前までは特に出身地である北海道を中心にクマの出没情報が後を絶たなかった。襲われたといった話はほとんどなかったものの、先日、熊を飼っていた人が、その熊に襲われ、亡くなったという痛ましいニュースがあった。 熊に襲われて殺されるというニュースはホットなようでいて、大昔はいくつかあった。本書は特 […]

あの日の交換日記

「交換日記」自体、現在あるかどうかはわからないのだが、私が学生だった当時はごくわずかだったとはいえやっている人たちがいた。どんなことを書くのかというと、何も日常的な事を書いただけとのこと。今となってはメール、さらにはLINEなどのチャットなどもあるため、デジタルの面で交換日記ができるにはできるのだが、その必要がないほど、コミュニケーションツールも進化している。 コミュニケーションツールが進化すると […]

インタビューズ

実際に私自身インタビューを行った事が何回かある。仕事と言うよりも、プライベートの場のインタビューしかないのだが、実際に質問をしながらその人の本質を明かしていくのがどうしても面白い。 本書は「平成」と呼ばれる時代について、100の人びととのインタビューをもとにして、深層を映し出す物語である。1989年から2019年の30年間の中で、何が起こり、インタビューを受けた人びとはどのような変化・出来事が起こ […]

つかまり屋

本書のタイトルを見るに、どうも囮というイメージが持たれる。しかし本書は犯人と警察との逮捕を巡る「闘い」を描いている。 その犯人は犯罪を犯す前、容疑者として「誤認逮捕」を受けたことがあり、なおかつ幼少の頃から警察を嫌い、憎んでいたのだという。誤認逮捕をきっかけに「つかまり屋」として暗躍し、さらには殺人事件の「犯人役」として駆け引きを行うと言うものである。 殺人事件は本書の物語の中で起こったのだが、真 […]

繭の季節が始まる

「繭の季節」と言うタイトル自体が、少し前の世相を見ているようでいてならなかった。一昨年の3月から始まった新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「自粛」が次々と行われ、ステイホームまであり、巣ごもりを行っていくようになる。あたかもそれが虫における「蛹」「繭」の様であるかのように。 そのような中で「事件」が起こり、その解決に乗り出すというのが本書である。ミステリーであるのだが、当時の世相をふんだんに盛り […]

つながりません スクリプター事件File

映画の撮影を行った方、あるいは映画についてマニアックな知識を持たれる方は知っているのだが、そもそも映画は様々なシーンを撮影を行い、その撮影したシーン・様子などをつないでいき、1本の映画を作っていく。その「つなぎ」の管理を行うのが「スクリプター」の役割である。 本書は映画監督とスクリプターの物語であるが、そのスクリプターが本章のタイトルにある「つながりません」が口癖である。しかし主人公の監督はそのス […]

群青の魚

本書は2人の若き警察官が、特養老人ホームで入所者が殺害された事件を追っている。なぜ本書のタイトルは、冒頭にて言及しているが、 生ける魚は水流に逆らって游(およ)ぎ、死せる魚は水流とともに流る「内村鑑三全集15」p.81より から来ているようである。この中にある「水流」こそが本書である「警察」「社会」そのものの縮図を映し出している。 事件の謎を紐解くために警察官は動くのだが、特養老人ホームの事情、社 […]

ヴィクトリアン・ホテル

私事だがあまりホテルに行ったことが無い。もっとも旅行もここ最近行っていないことも理由であるが。 私事はさておき、本書の舞台は誰もがうらやむ超高級ホテルである。しかしそこに訪れた宿泊客は一癖はあれ、普通の宿泊客であり、繋がりはないように見えた。しかしある事件を契機に、知られざる「関係」がだんだんと浮かび上がってくる。 ミステリー作品となるとホテルが舞台になることはけっこうある。ホテルの殺人事件、しか […]

警視庁アウトサイダー

警察小説となると、よく「刑事のコンビ」というのがテンプレート化されているように見えてならない。とりわけここ最近の刑事モノの小説となると凸凹コンビで、最初の印象は最悪だった。そこからだんだんと事件を解決することにより、絆を深めるといったものが主になってくる。 本書で取り上げる刑事コンビは表紙右にて描かれている刑事こそワケありを画に描いたような刑事である。それもそのはずその筋を専門としていた所から異動 […]

エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード

家族が父の転勤に伴い離れると共に、一人大学のために自宅へ残った女子大生。新しい大学生活も決して良いものではなく、なおかつ家族もいない中での実家暮らしで、もやもやとした毎日を送っていた中で、ある犬が迷い込み、飼うことになった。しかしその犬は不思議な力を持っているだけでなく、人間の言葉をしゃべる犬で、しかも自信を「神」と名乗るのだから、不思議と言うよりも「奇妙」という他ない。 1人と1匹の犬とで暮らす […]