TAG

事件

ジグソーパズル48

タイトルを見ると、「AKB48」に似せてつくっているような印象である。しかし本書は女子高生たちが様々な事件に巻き込まれながらも、解決に導いていくという物語である。しかも同じ高校、さらには同じ学級のクラスメートたちであり、それが全員で48人いるから「48」と名付けている。 女子高生ならではの青春を謳歌しているかと思いきや、ことあるごとに事件が起こり、青春どころではなく、事件の推理を行っていくような流 […]

W県警の悲劇

「警察官の鑑」として周囲からも評価されていたとある警部が、上梓である警視から極秘任務を与えられたところから物語は始まる。その任務の中身は謎の死亡事故である。その謎の死亡事故を巡ってのトリックや解決までに導いた物語である。 ざっくりというとこのような物語となるが、詳細については踏み込めない。理由としては、本書の帯に、 「ネタバレ厳禁!」 と書いてあるためである。もちろん当ブログでもネタバレしながら取 […]

ベルルスコーニの時代――崩れゆくイタリア政治

シルヴィオ・ベルルスコーニは首相として就任・辞任を繰り返したのだが、長きにわたって首相として政治の中枢にいた。首相もとい政治家になる以前は建設業やメディアの経営により巨万の富を得た存在であり、そこから政治家として転身した人物である。イタリアの政治を長らくになってきた一方で汚職疑惑やスキャンダルが絶えない政治家でもあり、なおかつ政界引退・復帰を繰り返し、今年2度目の国政復帰を果たした。そのベルルスコ […]

加害者家族バッシング―世間学から考える

海外では人種・身分の差別が根強く残っている所がある。中にはニュースにもなり、差別によって凄惨な事件の引き金になることも少なくない。日本では差別はないのかというと、実際にはそうではない。センセーショナルな事件において、地域や家族を排斥するような動きを見せており、「差別」をしている風潮もある。とある事件にて加害者がいる場合、その加害者ばかりでなく、家族にまでバッシングを行う、さらには差別するといった風 […]

老警

小学校の通り魔事件が起こったが、その犯人が犯行後に自殺。事件の全容解明が非常に難しい中で解明していく中で、警察組織そのものの根幹を揺るがすような真相を見出すこととなった。 本書のタイトル「老警」はその事件の犯人の父親の事を表しているのかもしれない。本書の主人公は女性の警務部長であるのだが、その犯人の父親は管理職の警察官であった。しかしその父親もまた事件後に遺書を遺して自殺するという悲しい出来事があ […]

集団探偵

とあるシェアハウスは一癖二癖ある人々が住んでいるのだが、その人々全て探偵であるという。その探偵たちがどのような謎解きを行っているのかを追っているのだが、事件が「クマ出没事件」「逆・振り込め詐欺事件」「神との会話事件」「浮気殺人事件」「集団失踪事件」と、後半は事件らしい事件なのだが、前半はどうしても奇怪にしか見えない。 一つ一つ事件を追っていくよりも前半3つの奇怪な事件を見てみると、「クマ出没事件」 […]

第四の暴力

「暴力」は非常に怖いものである。暴力がいったん発生すると、その報復が暴力として行われ、やがてそれが広く伝播する。本書のタイトルのように第二・第三、そして第四の暴力として形成づけていく。 本書は「報道被害」や「過熱報道」といった「暴力」を取り上げている。集落が豪雨被害に遭い、唯一生き残ったのだが、その生き残りをあたかも見せしめのように逆なでするような報道を行うといった風潮に怒りを露わにしていった。そ […]

死神刑事

何とも物騒な刑事のタイトルだという印象しかない。 その「死神」の由来は、異名のついた刑事の相棒を行うと出世の道が閉ざされると言うもので、キャリアアップという意味での「死」を意味しているから「死神」の異名をつけられたのだという。その相棒に選ばれた刑事は元々無罪判決となった事件の再捜査を行うために動いていた。 殺人事件の真相を暴くために、自らのキャリアを投げ捨てて、事件に真正面から向き合う。その姿は「 […]

人間狩り

見るからに物騒なタイトルである。 本書は凶悪事件の「元」犯人を追う警察小説であるのだが、その「元」とついているのがキーポイントであり、なぜ「元」とついたのかと言うと、「少年法」の適用により、刑事罰を受けなかったというものである(2000年以前の少年法の事を指しており、現在の少年法に適用すれば本書の「元」犯人は刑事裁判にて罰せされる)。またその凶悪事件は殺人事件であった。 その事件がとあるダークウェ […]

消えた断章

推理作家を目指すとある大学生は妹の友人と出会うことに。その友人にはある事件に巻き込まれた。身内トラブルのように見えて、実は殺人事件だったという。その事件は友人の一家が崩壊する序章となったのだが、その事件の裏にはどのようなものがあったのかと言うものである。 推理小説というと、事件が起こり、謎を解明し、解決するといった一種のフォーマットのようなものがあるイメージだが、本書にはそれがなく、むしろ推理をす […]