TAG

宗教

梟首の遺宝

本書はもちろんフィクションであるが、そのフィクションは17世紀に実際に起こった虐殺事件を着想して取り上げられている。その事件をもとにして東北の村に隠された「異端者」の楽園と「ドチリナ・カムイモシリ」と呼ばれる古文書がミステリー作品の物語の核心に迫っている。 ちなみに「ドチリナ」はアイヌ語で「経典」であり、「カムイモシリ」という宗教の経典のことを表している。その「ドチリナ」を巡って行方不明になったり […]

ふしぎなキリスト教

宗教人口を表すと、キリスト教が世界で最も多く信仰されている宗教と言える。もちろんキリスト教の中には「カトリック」「プロテスタント」「イギリス清教」など様々な宗派が存在するため、一枚岩ではない。その一枚岩ではないキリスト教は、宗派の一枚岩もあれば、キリスト教の成り立ちや考え方も一枚岩ではない。その「一枚岩ではない」こともまた本書のタイトルにある「ふしぎ」な部分がある。その「ふしぎ」とは一体何か、その […]

イエスはなぜわがままなのか

私が保育園時代の時、毎月のように礼拝が行われており、その中で新約聖書の一部の朗読を聞いたり、毎日の食事などで「アーメン」をしたりすることがあったことを思い出す。その後あまり新約聖書を読む機会は減ってきたのだが、最近になって聖書がビジネスに効果があると言うことから、少しではあるが読むようになった。 本書はそういった聖書を元に、人生にとって役立つことではなく、「本当のところイエスはワガママだった」と言 […]

すべての神様の十月

「10月」と「神様」の関連性は深い。その理由として10月は別名「神無月」と呼ばれており、諸説あるものの全ての神様が出雲大社に集まるため、それ以外の地域では神様がいなくなってしまうことから表している。ちなみに全ての神様が集まる出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれている。 「神様」の存在については宗教によって一人だけか、たくさんいるのか、そして一人もいないなど差異がある。ちなみに日本では神道の考 […]

生類供養と日本人

「生類供養」とは本書のまえがきにて、 「「生類」が何なのか、本来は厳密な規定が必要なのかもしれない。だがここでは、生きもの=動物と考えていただいてよい。具体的には、本書で扱っている生きものの全体である(ただし、本来の「生類」にはヒトも含まれる)。そしてわが国においては、「供養」こそが動物の命を奪う、いただく際の罪悪感を薄める「装置」、ないし「行為」または「儀礼」と考えていただきたい」(p.14より […]

メディアのなかのマンガ―新聞一コママンガの世界

「マンガ」というと日本が誇るべきポップカルチャーの一つである。それは間違いないのだが、ほかにも意味がある。例えば本書のように昨今の政治や社会の「風刺」として一コマなり四コマなりマンガにしているものもある。もっとも国民的マンガ・アニメとして知られている「サザエさん」も、元々は朝日新聞の四コマ欄にて連載されていた。もちろん連載当時の政治や社会を揶揄している部分も存在する。 本書はマンガ論の中から、新聞 […]

イスラームへの誤解を超えて―世界の平和と融和のために

IS(いわゆる「イスラム国」とも呼ばれている)、およびイスラム過激派団体による事件が今でも後を絶たない。特に先日は日本人男性2人が拘束・殺害されるという痛ましい事件が起こった。この事件を含めたイスラム国の話題のなかで、イスラム教について、過激なことをすることを是としているというようなことを聞くのだが、コーランの解釈により他宗教とは排他的ではない、あるいは殺生を禁じていると言う解釈もあれば、文字通り […]

これからお祈りにいきます

「祈り」は宗教特有の物のように見えるのだが、実際には宗教に関係無く、むしろ地域の慣習でも、人々の日常のなかでも存在する。 本書は奇妙な祭りを慣習にしている町で育った高校生の話なのだが、父が不倫中、母も現実逃避、弟は不登校と、家庭環境はまさに「ガタガタ」と言える様な状況にある。高校生なので、アルバイトもしているのだが、その上司にも恵まれず、イライラの募る毎日を送っていたという。そのような心情もあって […]

キリスト教入門

キリスト教は私自身小さい頃に関わりがあった。保育園のころは「プロテスタント」の信仰があったため、キリスト教にちなんだ行事も多々行われた。もちろん、活動の一つ一つにキリスト教の儀礼も行われる。 小学校に入ってから、キリスト教の信仰はなくなった。あれからもう20年以上の月日が流れるのだが、今一度学び直そうと考えている。本書はキリスト教の成立から、仕組みに至るまでについて「入門編」として紹介している。 […]

サッカーと人種差別

本書のタイトルからして日本は他人事のように思ってしまったのだが、今年の3月に起こった「ある事件」を機に、他人事ではなくなった。それは今年3月8日に行われた、浦和レッズ対サガン鳥栖とのJ1戦において、「JAPANESE ONLY」という横断幕が大問題となり、無観客処分になった事例がある。他にも最近では中指をたてるような行動が問題視された。人種差別はサッカー競技に限ったことではないのだが、本書ではサッ […]