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小説

俺の残機を投下します

本書はeスポーツを主軸とした作品であり、プロゲーマーを目指すために日々研鑽している者の、結果を残すことができず、心が荒んでいった。元々家族が「いた」が、離婚し、独身に逆戻り、結果が出ずに収入も減ってしまい、ついには「事件」を起こしてしまう。それが引き金となってしまい、eスポーツとしての自身のキャリアが地に落ちてしまった。もう残機も少ない中で主人公は様々な「支え」を知ることになる。もっとも最初はひね […]

ムシカ 鎮虫譜

何とも不思議なタイトルである。本書には「虫」といった要素もあれば、ラテン語やイタリア語における「音楽」を意味する「ムジカ(Música)」という意味をなしている。その2つの要素を合わせてタイトル付けているのも面白味がある。 本書の主人公は音大の同級生グループがスランプ脱出のためにとある無人島へと訪れた。しかしその無人島には音楽の神が祀られていると呼ばれる島があるのだが、虫の大群だった。「ムジカ(M […]

ドラゴンスリーパー

決して藤波辰爾がドラゴンスリーパーという得意技を編み出すまでの事を描いているわけではない。 本書は刑事物であるのだが、元刑事と現刑事の捜査を描いている。しかもスケールは大きく、残酷な殺人事件の裏には中国という大きな存在があった。その中国を「龍」に見立てて、犯人を追っていき、静めると言うものである。 そう言うような感じであるのだが、実を言うと、本書の登場人物の中には伝説の刑事に「パイルドライバー」の […]

奔る男-小説 金栗四三

昨年の大河ドラマは、「いだてん〜東京オリムピック噺〜」だったのだが、その主人公が本書で紹介される金栗四三である。金栗と言えばオリンピックのマラソン選手として活躍した一方で、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)の開催に尽力した人物である。もっとも箱根駅伝と金栗の母校である東京高等師範学校(現:筑波大学)とは縁が深く、第1回の総合優勝も東京高等師範学校であり、そして2004年から始まった金栗四三杯( […]

ラスト・タイクーン

フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド(以下:フィッツジェラルド)はヘミングウェイやフォークナーと並び、20世紀を代表するアメリカ文学の作家の一人である。代表作として「グレート・ギャツビー(華麗なるギャツビー)」がある。 そのフィッツジェラルドが1940年に逝去するのだが、その最後の作品であり、未完の作品であるのが、本書である。フィッツジェラルド自身は途中まで描き、またプロット自体は最後ま […]

小麦の法廷

新米弁護士が初めて刑事裁判の弁護人を務めたのだが、その事件はやがて大きな事件に巻き込まれるというものである。しかも「弁護人」と言う立場になったことにより、犯罪に加担しているのではないか、とメディアにも目を向けられ、中には罵倒というような言葉を受け取られるほどであった。 元々味方がいるような状況が合ったのだが、弁護人になったことを境に、被告を含めて完全に全て「敵」に回ってしまい、味方が自分以外完全に […]

伊達女

「独眼竜」として恐れられ、なおかつ「心に鬼を棲まわせた」と言わせるほど苛烈な性格を持っていた伊達政宗の周囲の女性は、美しくも、あたかも「女傑」と呼ばれるような女性たちがいたという。 よく伊達政宗のような性格を持つ男を「伊達男」と呼ばれていたが、その女性版としてタイトルとして銘打ち、伊達政宗を彷彿とさせる周囲の女性たちを取り上げた短編集である。 5人の女性をそれぞれ主軸とした物語ではあるのだが、それ […]

私のことならほっといて

本書の表紙を見て「ほっといて」と言われたらどうするか。文字通り放っておくのか、それとも、キレイな女だから助けるといった意見もあるのかもしれない。ある意味ナンセンスの光景から「ほっといて」と言われると、どうしたらよいのかわからない、どう突っ込めばよいのかわからない、といった思念も持ってしまう。 それはさておき、本書は女たちが快感を求めるためにアレコレ行う短編集である。ただその「アレコレ」は裏切りにや […]

終末少女~AXIA girls~

本書の表紙には登場する少女たちが映し出されている。一見美しいように見えるのだが、本書の物語は、かつてあった「バトル・ロワイアル」や「王様ゲーム」のような殺し合いや嘘・裏切りの戦いを描いてる。 そう考えるとグロテスクのようにも見えるのだが、その中にはある「バケモノ」の存在もあった。最初に登場するのは仲間6人であるのだが、その後2人の漂流者である少女が加わる。この漂流者が殺し合い、嘘・裏切りの戦いの引 […]

出身成分

「出身成分(しゅっしんせいぶん)」とは、 「北朝鮮における住民の政治的地位を規定する階層制度、およびその階層を指す語。「核心階層」「動揺階層」「敵対階層」の3種からなる。核心階層は統治階層で、党の幹部や革命遺家族からなり全人口の30%。動揺階層は全人口の5割を占める基本階層で、大部分が地方に住み、特別な許可がなければ平壌に入ることはできない。敵対階層は反動分子とされる人たちで大学進学や党、軍での昇 […]