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岩波新書

生きのびるマンション―<二つの老い>をこえて

マンションは戦後になって乱立しており、現在でも新しいマンションがつくられている。またマンションによっては老朽化に伴い取り壊される所もあれば、新しく建て替えたり、リフォームをしたりするような所も少なくない。 しかし取り壊す中には生き残れなかったマンションも存在しており、その要因とはいったいどこにあるのか、本書にて取り上げている。 第一章「何が「スラム」と「楽園」を分けるのか」 マンションの中でも「ス […]

『広辞苑』をよむ

当ブログで書評を行うにあたり、ちょくちょく言葉を引用することがある。特になじみ深い言葉や、本の中核となる言葉を辞書的な意味として取り上げることがある。その多くは「広辞苑」から引っ張っている。どのように引っ張っているのかというと実際の本で調べるのではなく、電子辞書の時もあれば、ここ最近では文字入力ツールの中に広辞苑が組み込まれており、変換をする際に広辞苑としての意味が出てきている。それを引用すること […]

水墨画入門

絵画にも種類はいくつもあるのだが、特に「水墨画」は日本では古くから存在しており、最も古いものだと奈良時代にまで遡る。しかし今ある水墨画自体は鎌倉時代に、中国大陸から伝わったものと言われている。特に室町時代、雪舟をはじめとした多くの僧が水墨画を残し、今日ある水墨画のイメージを形成づけた。本書はその水墨画の歴史と絵画としての立ち位置などについて追っている。 第一章「水墨画とはなにか?」 「水墨画」とは […]

統合失調症

「統合失調症」とは、 「妄想や幻覚などの症状を呈し、人格の自律性が障害され周囲との自然な交流ができなくなる内因的精神病。多く青年期に発病し、破瓜型・緊張型・妄想型などがある。旧称、早発性痴呆・精神分裂病」(「広辞苑 第七版」より) とある。一般的に言われる「うつ」と呼ばれる症状と共通しているのが「精神病」の一種である一方で、異なる点は幻覚や妄想なるものが生み出されるところに特徴がある。また「うつ」 […]

小学校英語のジレンマ

いよいよ今年度から学習指導要領が変わり、小学校でも英語教育、さらにはプログラミング教育が始まる。プログラミング教育についてはこれまで当ブログでも言及しており、小学校英語についてもいくつかの本で言及したことがある。 私自身のスタンスとしては英語よりも大事なことがあると言うことで、小学校での英語教育についてはあまり賛同はしていない。 それはさておき、これから始まる小学校英語の教育が成り立つまでと、これ […]

AIの時代と法

AIは技術革新と共に、私たちの生活に深く関わっていくようになった。もちろん最新の技術が生まれることにより、それを悪用する輩も出てきており、それを規制するための「法律」の整備も急務になってきている。AIが台頭しつつある時代の中で法律整備はどのように行ったらよいか、そしてその時代の中で法律の考え方はどうしたらよいか、そのことについて論じているのが本書である。 第1章「デジタル技術に揺らぐ法」 技術はま […]

虚偽自白を読み解く

事件に関する真相書類としては状況などの物的なものから、周辺の証言、さらには容疑者の自白調書などがあるのだが、この「自白」を巡って、虚偽自白により、無実の罪を着せられ、最悪死刑判決を受けるといった事件も少なくない。冤罪の温床となっている自白調書になぜ「虚偽自白」があるのか、そしてそれを逆手に取り、無罪を勝ち取ってきた道筋とは何かを取り上げている。 第一章「虚偽自白とはどういうものか」 今となっては可 […]

ベラスケス 宮廷のなかの革命者

ディエゴ・ベラスケスと呼ばれる画家はスペイン絵画の黄金時代を支え、フランスの著名な画家であったエドゥアール・マネが絶賛したほどの存在だった。と同時に宮廷画家として活躍しながら、宮廷の中枢として活躍した人物でもあった。 そのベラスケスの生涯はどのようなものか、画壇、そしてスペインの王宮ではどのような存在だったのか、その生涯を追っているのが本書である。 Ⅰ.「画家の誕生」 ベラスケスが誕生したのは15 […]

「孤独な育児」のない社会へー未来を拓く保育

育児の世界では「孤独」と呼ばれるようなものがあるという。もっとも育児をするにも家族の関係から一人でこなさなければならない現実もあれば、保育園などの施設の充実を行っていくなかでも建設反対運動などの抗議が起こるなど子育てを巡る環境は悪化の一途を辿っている印象を持ってしまう。そう考えると子どもを持つことへの環境はまさに「孤独」と言わざるを得ない。その状況から脱するためにどうしたらよいのか現状と共に取り上 […]

物流危機は終わらない――暮らしを支える労働のゆくえ

「物流危機」と言うと私たちの生活に密着しないのではと連想しがちであるのだが、じっさいには密着する部分が強い。もっともものを送る、あるいは受け取る際に重要な役割を担うのがヤマトや佐川などの運送会社であるのだが、ここ最近、送料にまつわるコストはもちろんのこと、ドライバーの枯渇などがニュースとして上がっているケースがある。その物流にまつわる危機はどこから起き、解決点はどこにあるのか、そのことについて取り […]