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平凡社新書

マンガはなぜ規制されるのか – 「有害」をめぐる半世紀の攻防

日本のポップ・カルチャーの代表格としてマンガやアニメ作品が挙げられる。数十年にわたって日本のみならず、海外でもブームが起こっており、日本文化の一つとしても挙げられている。 しかし、その中でもマンガは東京都の「青少年条例」や国の「児童ポルノ法」の槍玉に挙げられ、前者はすでにマンガのキャラクターなど「非実在青少年」も対象に挙げられている。 本書はその「規制」について問いを投げている。 第一章「ドキュメ […]

「生き場」を探す日本人

今も昔も日本を離れ、遠い異国の地で働く・暮らす日本人はいる。老後に裕福な余生を過ごす人や家庭もあれば、新天地や刺激を求め、海外で働く・学ぶ方々もいる。さらに、日本に絶望し、口悪く言うと、自ら捨てて、逆に捨てられ異国にゆだねるようなことさえ起こっている。 最後に書いたような日本人を「「生き場」を探す者」と表す。本書はその人たちの現実を映している。 Ⅰ.「日本に帰らない」 外国に行き、そこで夢破れたが […]

クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力

「クスクス」を知らない人は、「笑い方」のことを連想するのかもしれない。しかし「クスクス」はタイトルにもあるとおり「粒パスタ」と呼ばれており、巷で売られているパスタの一種である。 「クスクス」はフランスより様々な国で広がっている。しかし日本では同様に広がっていた「タジン鍋」に比べてあまり語られておらず、むしろ「アラブ系の料理」の一括りに終わってしまっているのだという。 自分自身も「クスクス」を食べた […]

武具の日本史~正倉院遺品から洋式火器まで

日本人と武具の歴史は、広義で言えば旧石器時代のころからあるのだが、際だって日本として「武具」を有名にしたのは武士が誕生した平安時代後期にまで遡る。ちょうど時代としては「中世」という立ち位置にあるのだが、その時代から武具はどのように進化を遂げ、どのように使われてきたのだろうか。本書は日本史の中から「武具」にスポットを当てて考察を行っている。 第一章「日本の戦士たちはどんな武具で闘ったのか」 日本の武 […]

英国王室御用達-知られざるロイヤルワラントの世界

日本では「宮内庁御用達」というものと言える。いわゆるイギリスの象徴と言える「イギリス王室」が贔屓にしている店がいくつか存在しているが、「宮内庁御用達」と決定的に異なる。昨今の「宮内庁御用達」は極端な話どこも名乗ることができるが(かつてそのような制度は存在したが、戦後廃止された)、「英国王室御用達」は「ロイヤルワラント(認定証)」を受ける必要がある。このロイヤルワラントは12世紀ヘンリーⅡ世の時代か […]

エジプト革命―アラブ世界変動の行方

アフリカ北部にあるエジプトにて大規模なデモが起こり、長きにわたり独裁政治を続けてきたムバラク政権が崩壊した。それがエジプトを越え、リビア、バーレーンなどのアフリカ、中東諸国に波及し、世界的にも話題となった。私の趣味の話になってしまうが、その影響により2011年シーズンの第1戦になるはずだったバーレーンGPも中止となった。 俗に「アラブの春」と呼ばれる現象だが、本書はその中東を中心に大規模な革命の起 […]

シャーロック・ホームズの愉しみ方

推理小説は幅広い世代から読まれている名作から、ニッチの作品までゴマンとある。以前ブログにて書いたのだが、私自身、中学の頃は推理小説にはまっており、とりわけ「刑事コロンボ」のファンであった。推理小説にはまった大きな理由には「少年サンデー」で連載中の「名探偵コナン」にある。連載が始まったのは今から18年も前、ちょうど小学2年生の頃である。主人公である江戸川コナンは、「明智小五郎シリーズ」の作者である江 […]

上機嫌のすすめ

今、皆様の機嫌はいかがであろうか。 上機嫌の人もいれば、逆に自責・他責問わずの原因で不機嫌になっている人もいる。しかし機嫌一つで周りの雰囲気も変わることもあれば、自分自身のモチベーションにもつながるのだから「機嫌」は侮れない。そして上機嫌であればあるほど自分にとっても、周りにとっても良い影響をもたらす。本書は上機嫌の効力を著者自身の半生とともに語った一冊である。 第一章「上機嫌力をアップさせよう」 […]

小栗上野介―忘れられた悲劇の幕臣

歴史には光と闇がある。「光」というとまさに歴史の教科書や歴史書の主人公に描かれる人物のことを表す。反対に「闇」は史料といったものには載せられておらず、歴史とともに忘れ去られてしまった方々のことを指す。 本書で紹介される小栗上野介(小栗忠順)もまたかつてその一人であった。しかし彼にまつわる史料が見つかっただけではなく明治末期に日本海海戦の英雄として知られる東郷平八郎により名誉回復を機にその名は再認識 […]

森林異変~日本の林業に未来はあるか

森林破壊が進んでいる・・・といいたいところだが、本書は環境問題のことについて書かれているのではなく、「林業」という業界の衰退について書かれている。国産の木材が林業従事者の高齢化により、人・モノともに現象の一途をたどり、数少ない資源である、木材がとれないということを本書では警鐘を鳴らしている。 かつて日本人は森林とともに育っていた「共生」の概念があった。木々を育て、伐採して木材として使い、そしてまた […]