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文庫

教室が、ひとりになるまで

とある高校にて連続の自殺事件が起こり、生徒が一人、また一人と減っていった。しかし証言から自殺ではなく、「他殺」だった。 もしもそうであれば完全犯罪のような状況なのだが、そこは本書の主人公。「若者の人間離れ」の如く、超能力で推理を行うと言うものである。超能力だけでも荒唐無稽に思えてくるのだが、ミステリーらしく、推理展開が独創的でありながらも、事件の真相を紐解いている。 また高校が舞台であるため、高校 […]

ウチら棺桶まで永遠のランウェイ

本書はモデル・タレントであるが、それ以上にYouTuberとしての活躍が強いkemio(けみお)のエッセイ集である。 私自身もそうであるが、人生は何が起こるかわからない。神奈川県で生まれ育ったkemioは元々目立つことが大好きだったという。世間一般で言う所の「引かれたレール」に対して目もくれず、目立つため、アイドルやダンサーなども目指したという。 高校3年の時、あるSNSとの出会いが彼の人生を大き […]

さんばん侍 利と仁

昨今では新型コロナウイルスにより企業の倒産や破綻、あるいはそれの危機に瀕する状況に陥るケースが頻発している。特にその危機から脱するために「再建」を行うことも少なくない。 所変わって本書はその「企業再建」を江戸時代において行ったという移植の一冊である。元々は町人で、親族も亡くなり、孤独の身になったが、藩の江戸屋敷に拾われ、養子となり、勘定方で働くようになったが、そこから幕府との「戦い」が起こり、巻き […]

20ヵ国語ペラペラ ――私の外国語学習法

海外への憧れを持つ人は少なくない。かく言う私も1度だけカナダに行ったことはあるのだが、他の国に行く機会があればぜひ行ってみたいものである。とはいえ緩和されたとはいえコロナ禍もあるため、なかなかそうにはいかない現実もある。 それはさておき、その海外に行く、あるいは外国の人と関わる際にはどうしても日本語以外の外国語を使う必要があり、その勉強に四苦八苦する人も少なくない。英語や中国語などは有名であるが、 […]

ドッグレース

元アウトローの探偵が、元々いたアウトローの世界に戻り「人捜し」を行うというものである。しかもある事件の容疑者もまた「密売人」というアウトローの稼業。その弁護人に依頼された探偵という構図であるのだが、謎が謎を呼ぶような事件の人捜しで、なおかつアウトローの世界であるだけに、抗争の如く銃撃戦をくぐり抜けながら捜していくというさながらミステリーというよりもヤクザ小説の様相を見せている。 しかもその戦いはよ […]

新装版 隻手の声 鬼籍通覧

「隻手(せきしゅ)」は簡単に言うと「片手」である。そう考えると片手が鬼の手のように見えるのだが、本書の表紙を見るに鬼の手になっている描写は一切存在しない。また鬼と言っても「鬼籍」であり、亡くなった人の一覧のことを表している。よく亡くなることを「鬼籍に入る」と表している。 本書はミステリーの雰囲気を持っているのだが、あくまで遺体の解剖現場を描いている。ただ法医学の教室と刑事も登場人物にいることから、 […]

暗号通貨クライシス ―BUG 広域警察極秘捜査班

今となっては投資の対象として「暗号通貨」であるが、世界初の暗号通貨は、すでに「仮想通貨」として名高い「ビットコイン」がある。暗号資産は安全かというと、決してそうではなく、世界各地で暗号資産にまつわる詐欺事件も起こっており、かつ暗号資産が「ダークウェブ」をはじめとしたダークネット市場にも使われているという指摘も存在する。 その暗号通貨にまつわる捜査と攻防を描いている。本書の主人公は冤罪により死刑され […]

お助け同心 尾形佐門次

江戸時代を描いた小説において、「同心」という名前を目にする。「同心」は江戸時代における役人の一つにあり、庶務や警備などを行う、あるいは軽犯罪を取り締まる警察の役割を担っていた。 同心は各藩におかれていたのだが、同心のあり方も多様であり、伊賀や甲賀では忍者を祖先とした同心がいる。また同心で有名な所では本書でも紹介される八丁堀の同心である。江戸時代初期に寺の多くが八丁堀から浅草に移動となり、その跡地に […]

遠い声――管野須賀子

瀬戸内寂聴が昨年11月9日に逝去した。99歳という大往生である。作家として、そして人物としても、かなり大きな存在だった。特に作家としては俗名である「瀬戸内晴美」時代から長年にわたって活躍し、逝去する直前まで執筆を行っていたほどである。デビューしてからの前半は特に恋愛や不倫など、男女関係にまつわる小説が多かったのだが、出家し、現在の寂聴になってからは、恋愛もあれば伝記小説、さらには人生に関しての法話 […]

量子人間からの手紙 捕まえたもん勝ち!

本書は先日取り上げた「捕まえたもん勝ち!」シリーズの第2弾である。本書の主人公は元アイドルの刑事を中心に事件を追うものであり、今回は変人の刑事とタッグを組む。今回はカメラをすり抜けて殺人を犯す犯人との闘いを表している。 ある意味近未来の様相を示しているように見えるが、その「近未来に見える」所にトリックがある。そのトリックを暴くべく2人の刑事たちが謎を追うという作品である。 しかも本書は謎解きのミス […]