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新書

韓国愛憎-激変する隣国と私の30年

日韓関係について、昨今では鳴りを潜めているが、かつては盛んに議論されるほどだった。もちろん後述の歴史認識問題などが発端となることがほとんどであったが。そもそも「歴史」と考えると、「日韓」というよりも、むしろ日本と「朝鮮半島」と言う方が適当かも知れない。 さて本書である。本書は1990年代以降あった「日韓関係」の歴史を著者自身の観点から紐解いている。 第1章「希少価値の韓国研究者―1990年代初頭」 […]

熊楠と幽霊

昭和・平成・令和と生きた「知の巨人」というと、昨年4月に逝去した立花隆がいる。ジャーナリストなどの側面を持っていることから政治的なイメージも強いのだが、実は哲学・生物学などありとあらゆる分野に精通し、なおかつ知的欲求も旺盛だった。 そしてその「知の巨人」は過去にもおり、本書で紹介する南方熊楠(みなかたくまぐす)も明治から昭和初期にかけて活躍した「知の巨人」である。南方熊楠は博物学・生物学・民俗学の […]

カラー版 王室外交物語 紀元前14世紀から現代まで

6月2日、イギリスのエリザベス女王が即位70周年を迎え、記念行事が実施された。イギリス、もといイングランドの王の中で最も在位の長い君主であり、世界的に見ても、日本の昭和天皇、タイのラーマ9世、スワジランドのソブーザ2世などごくわずかである。 イギリスには女王を始め王子・王女などの「王室」があり、海外において「王室外交」も存在する。日本では天皇陛下をはじめとした皇室があり、皇室を通した外交を「皇室外 […]

ジョン・ロールズ-社会正義の探究者

今でこそ、政治哲学の議論は盛んに行われているのだが、アメリカでは第二次世界大戦直後は盛り上がりに欠けていた。イギリスの哲学者であるアイザイア・バーリンでさえ論文で吐露するほど停滞した政治哲学の世界に大きな風穴を開けたのが、本書で紹介するジョン・ロールズである。 元々アメリカ陸軍の兵士として第二次世界大戦の戦地を渡り歩いたのだが、なぜ彼は兵隊を辞めて政治哲学に風穴を開けたのか、ロールズの生涯と共に追 […]

資本主義の方程式-経済停滞と格差拡大の謎を解く

資本主義は先進国のほとんどで採用されているのだが、そもそも「資本主義」といっても、時代とともにあり方が変化している。その「変化」とはいったいどのようなものか、そして資本主義経済における「格差」や「停滞」がなぜ生まれるのかなどを紐解いている。 第1章「資本主義経済の変遷」 「資本主義」そのものの定義になると、地域単位で、物々交換や地域独自の通貨を用いて交換を行うなどの概念が古代アテナイやローマの頃か […]

地球外生命-アストロバイオロジーで探る生命の起源と未来

よくSF作品などで「宇宙人」や「地球外生命体」といったものが取り上げられる。もちろん現在の宇宙の研究においては、見つかっておらず、論者によっては存在しないと主張する人も少なくない。 しかし生命の跡は地球以外に存在するのかどうか。研究の中には火星にて生物の跡があるのかどうか調査を行った「バイキング計画」もあった。現時点で地球以外の場所で生物やそれらしき細胞は発見に至っていないが、まだ解明されていない […]

最後の参謀総長 梅津美治郎

靖国神社には戦争などによりなくなった方(戦死者、殉難者とも呼ばれる)が約246万柱祀られている。その中で14柱はA級戦犯にて東京裁判に掛けられ、絞首刑、あるいは獄死した。そのうちの一人として本書は「無言の将軍」と呼ばれた梅津美治郎を取り上げている。 第一章「「軍人勅諭」の子」 梅津美治郎は1882年1月4日、ちょうど明治天皇が陸海軍軍人に「軍人勅諭」を下賜した日と全く同じである。それ故に本章のタイ […]

お金の未来

「お金」に対しての考え方はここ最近大きく変わってきている。その要因としてはビットコインや暗号資産など、見えない「お金」が出てきたこと、さらにはそれが投資として、さらには実際に使う「お金」としての共通通貨として認識され始めたことにある。 では新しい通貨や概念が生まれた「お金」にはどのような未来が待っているのか、本書は著者2人の対談をもとに、新しい「お金」の概念と、そこから生まれる未来を描いている。 […]

リヒトホーフェン―撃墜王とその一族

ミリタリーのマニアの中には本書のタイトルにある「リヒトホーフェン」という人物をご存じの方もいるのかもしれない。サブタイトルにもあるようにドイツ帝国の軍人で、とりわけ航空隊での武功が最も有名である。特にアニメキャラのモデルにもなるのだが、それは後述する。本書はその撃墜王と呼ばれたマンフレート・フォン・リヒトホーフェンとその家族を取り上げている。 第1章「撃墜王―マンフレート」 マンフレート・フォン・ […]

ヤングケアラーってなんだろう

「ヤングケアラー」と言う言葉を初めて聞くが、 法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。厚生労働省「ヤングケアラーについて」より とある。特に介護などのケアはヘルパーなどで行うことを親族、それも子どもたちに行うことである。あたかも「美談」としてとらえがちだが、じつはヘルパー不足といった問題もあれば、学校生活への悪 […]