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歴史

<第九>誕生~1824年のヨーロッパ

今年も残すところあと3週間ほどになった。「年末」となると、日本クラシック界では、いつものように演奏されるのがベートーヴェン作曲の交響曲第9番、通称「第九」である。なぜ日本では「第九」が年末を中心に行われるのか、その謎を紐解いてみると戦後間もない時にオーケストラが財政難だったのだが、年末に第九を演奏したら大盛況だったため、それに倣い、多くのオーケストラが年末に第九を演奏することになった事から定着した […]

ハプスブルク三都物語 – ウィーン、プラハ、ブダペスト

かつて東欧には「ハプスブルク帝国」が存在し、長い歴史の中で、建造物や音楽など東欧における文化の根幹をなしてきた。そのなしてきた文化の遺産は今でも東欧諸国に根付いている。本書はオーストリアのウィーン、チェコのプラハ、ハンガリーのブダペストの三都市で紡いできた歴史と名所をもとに、ハプスブルク帝国の足跡について追っている。 Ⅰ.「ハプスブルク帝国と三都の歴史」 最初に「ハプスブルク帝国」について書いてお […]

性愛空間の文化史

「性愛空間」というと色々とあるのだが、本書では元々著者が研究し続けてきた「ラブホテル」に焦点を当てている。なぜかというと著者が2008年に上梓した「ラブホテル進化論」が隆盛した事が挙げられる。 ただ私自身「ラブホテル」はもちろんいった事が無いし、元々の歴史も詳しくない。そのためラブホテルがいかにしてできたのか、そしてラブホテルの現在はどのような姿をしているのか、そのことについて、本書を通じて探る。 […]

万引きの文化史

本書は「万引き」を歴史的な見地から紐解いた一冊であるが、そもそも「万引き」と言うと物騒なものでるのだが、どうして「万引き」が成り立っていき、どのような心理でもって行われてきたのか、是非知りたいと思い手に取った。 第1部「万引きの歴史」 万引きそのものの歴史は、人物の歴史とイコールと言える。しかし確認されている最古の「万引き」、というより「盗み」は紀元前2500年頃にある「ハンブラム法典」によるもの […]

テレビドラマを学問する

私自身最近テレビドラマは全く観なくなったのだが、学生の頃は気に入ったテレビドラマを視聴する事があった。最近全くドラマを観ない私でも昨年は「あまちゃん」や「半沢直樹」のフィーバーぶりはよく知っており、流行語が生まれるほどだった。現在も連続テレビ小説「マッサン」が話題を呼び、ウィスキーブームの様相を見せている。 テレビドラマはおろかテレビをあまり見ない私が本書を取り上げるのもどうかと思うかもしれないが […]

英国王のスピーチ――王室を救った男の記録

2010年にタイトルにある映画が全世界で上映されアカデミー賞の作品賞など賞を総なめにした。その映画の主人公が、イギリスをはじめとした欧州連合の前国王だったジョージ6世である。ジョージ6世はかつて吃音症に悩まされたのだが、言語療法士の治療によって名演説家への道を歩みだした。 本書はジョージ6世の吃音症を治した言語療法士ライオネル・ローグの日記・書簡を元に、ローグの生涯を描いた一冊である。映画で描かれ […]

ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

「ウスケ」と書いてあっても別に「薄毛」を言っているわけではない。ワインに関する著作を多く発表してきた「麻井宇介」の名前をとって「ウスケ」と名付けられている。宇介はワインの醸造を手がけながら、晩年はワインコンサルタントとして世界中にワインの醸造方法を教え伝えている方である。その麻井氏の薫陶を受けた3人の人、人呼んで「ウスケボーイズ」と呼ばれる方々が、麻井氏から何を教わり、日本におけるワイン文化を広め […]

ジャパニーズウイスキー

今年の9月29日より始まった朝の連続テレビ小説「マッサン」。「マッサン」の事については半年前に「日本ウイスキー 世界一への道」という本でも取り上げたが、この「マッサン」が放映されるちょっと前からウイスキーに関する本が出てきた。中には「マッサン語録」というような本まで出てきており、「マッサン」が一つのブームとなっており、それと共に「ウイスキー」も認知されている。 元々「マッサン」のモデルとなったのは […]

モーツァルトを「造った」男─ケッヘルと同時代のウィーン

私自身クラシック音楽を鑑賞する趣味があるのでヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(以下:モーツァルト)については何曲か知っているし、生涯について数多くの評伝があり、中には映画化されたものまである。「神童」や「天才」というものを欲しいままにしてきたモーツァルトであるが、実際にそれを有名に仕立て上げた立役者が存在するという。 その男名前は「ルートヴィヒ・フォン・ケッヘル(以下:ケッヘル)」。ケッヘ […]

捏造されたヒーロー、遠山金四郎

「遠山の金さん」と言えば時代劇の中でも有名である。もちろんこの時代劇の主人公は遠山金四郎(とおやまきんしろう)である。実在する人物かと思ったら、半分合っている。なぜ「半分合っている」という回答にしたのかというと、元々のモデルは江戸時代の旗本・北町奉行・南町奉行、大目付と歴任した「遠山景元(とおやまかげもと)」、この景元の通称が「金四郎」だったのである。そのため実在する人物であるのだが、通称として呼 […]