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江戸時代

お江戸やすらぎ飯 芍薬役者

料理で人を救うと言う話は実話・フィクションを含めると数多くあるのだが、本書は江戸時代を舞台にしている。ちなみに本書はタイトルにある「お江戸やすらぎ飯」と銘打ったシリーズの第2弾であり、主人公の佐保の成長とそれに伴う「変化」を見せながら、料理を通して癒やすといった作品である。 ちなみに第2弾のサブタイトルには「芍薬役者」とあるが、「芍薬(しゃくやく)」は花の名前であり、初夏の頃に咲く花である。ちなみ […]

ほたる茶屋 千成屋お吟

江戸の中心地の一つである日本橋にてとある茶屋があった。その茶屋にあるお客が来店した。そのうちの一人には相談屋の女将であり、その悩みを聞くために茶屋に訪れた。もう一方はその相談を行ったのだが、会津の地から遠路はるばるやって来たのだという。 その相談を茶屋で受けようとしたその時、その茶屋の女将と若い衆との話を小耳にはさんだ。しかもその若い衆は非常に「訳あり」で今にも悪の道に走りそうな状況だったのだが、 […]

さみだれ

「シリアルキラー」と言う言葉を聞くことがある。心的な快楽のために殺人を犯す、その殺人の中には猟奇的なものを行うような人もいる。 このシリアルキラーが定義されたのは昭和末期のことであり、それ以前は連続殺人犯や武士のいた時代では「人斬り」といった要素が強い。その人斬りとして本書で取り上げる、とある博徒である。 今となってはかなり有名になった侠客(今で言うところのヤクザ)である清水次郎長(しみずのじろち […]

攫い鬼 怪談飯屋古狸

今し方の時期だと怪談はシーズンとは言えないかも知れない。しかし怪談好きの方々であれば季節問わずして興味深くご覧になる方も少なくない。 ちなみに本書は怪談のシリーズとしてある「怪談飯屋古狸」の第3弾でもあり、本作で完結となるものである。 江戸時代に一風変わった飯屋があった。その飯屋は怪談を聞かせる、あるいは怖い場所に行き、体験を行うと、無料になるという飯屋である。そこから出てきた怪談や体験談、依頼事 […]

京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋

本書は幕末の京を舞台にしている作品である。もっとも幕末の京というと、尊皇攘夷や倒幕を目指すべく、壬生浪士組、後の新撰組が結成した場所でもあり、政争の絶えない場所としても知られていた。さらには1867年には大政奉還が行われた場所(京都・二条城二の丸御殿)としても知られており、幕末の激動が色濃く表れていた。 その剣呑たる場所の中でほっとするような物語が本書である。清水寺に近い四条と呼ばれる場所にて、小 […]

うかれ十郎兵衛

江戸時代後期には化政文化と呼ばれ、多くの作品が生まれ、現在でも語り継がれている。喜多川歌麿、東洲斎写楽、恋川春町、山東京伝、曲亭馬琴と名を連ねるだけでもきりが無いほどである。その人たちを世に送り出したプロデューサーの役割を担ったのが、蔦屋重三郎である。現在あるTSUTAYAはこの蔦屋重三郎をあやかって名付けられたとされる。 寛政6年(1794年)に奢侈禁止令(しゃしきんしれい。いわゆる「ぜいたく禁 […]

遊王 徳川家斉

徳川家斉は江戸幕府の11代将軍であり、江戸はもちろんのこと、鎌倉・室町を含めた将軍、さらには征夷大将軍の中では最も在位の長かった将軍であり、50年もの間その座にいたのだが、12代将軍家慶に譲った後も逝去するまでの4年間は実質的な権力を握り「大御所時代」をつくったため、実際には54年もの間、実権を握った人物である。 実権を握るほどの権力やカリスマ性があったかというと、実はそうではなく、老中が家老らに […]

村の日本近代史

よく教科書などで取り上げられる「日本史」は中央はもちろんのこと、主要都市における出来事など多い。しかし都市や中心地から離れた「村」にもまた「歴史」が存在する。では村はどのような歴史を辿っていったのか、本書は近代から現代にかけてを取り上げている。 第1章「村の近代化構想―織豊政権期」 元々「村」は単なる人の集まりであった。その人の集まりによって伝承が生まれることもあった。しかし秀吉の天下統一に伴い、 […]

奇妙な瓦版の世界 江戸のスクープ大集合

元々新聞は「瓦版(かわらばん)」と呼ばれており、江戸時代において事件や災害などを伝える手段としてあった。その瓦版の記事を読み歩いた人のことを「讀賣(よみうり)」と言われ、現在ある大手新聞の一つである「読売新聞」の由来にもなっている。 しかしその瓦版の記事は新聞と言うよりもゴシップ誌の側面もある。その瓦版にてどのような記事が出てきたのか、本書はめくるめく瓦版で出てきた記事を取り上げている。 1.「怪 […]

将軍家康の女影武者

様々な時代の中で愛する人・国のために闘う女性がおり、なおかつ創作でありながらも、それを描く作品も数多くある。本書は戦国から江戸時代初期にかけて活躍したある側室の女性を中心とした物語である。 その主人公は卯乃とあるが、史実では「英勝院」がこの人物にあたる。通称は「梶(八)」と呼ばれ、史料にも「梶」と呼ばれることが多々あった。また本書の表紙には戦の甲冑を着た女性の姿であるのだが、実際に関ヶ原の戦いや大 […]