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脳科学

脳波の発見―ハンス・ベルガーの夢

ハンス・ベルガー(以下:ベルガー)はドイツの精神科医でありつつ、神経科学者であった。ベルガーは脳による情報の通信を始めて確認し、これを「脳波」と定義した人物でもある。その発見までの生涯と、脳波にまつわる論争があったとされているのだが、どのような道を辿っていったのか、本書ではその生涯を取り上げている。 1.「祖父リュッカート」 本章に出てくる「リュッカート」とは、ドイツの詩人であり、東洋学者でもあっ […]

老化と脳科学

人間は年を取っていくと、ありとあらゆる所が老化する。その老化について、本書では「脳」における老化の傾向について脳科学の立場から取り上げている。 第1章「脳と記憶」 本書にて重点的に取り上げられているのが、記憶を司る「海馬」と呼ばれる部分である。例外なく老化により衰えるのだが、その衰え方によってはアルツハイマー病や認知症と言ったものを引き起こす要因にもなる。そのため本章ではまず基礎編として脳の機能と […]

なぜイヤな記憶は消えないのか

「記憶」と言うと、体験したこと、学んだ者などを蓄積するのだが、その中にはいやなもの、さらには悲しいもの、もっと言うと「忘れたいもの」も含まれる。しかしながら特にイヤなものはなぜか消えずにずっと残り続けることが往々にしてある。なぜイヤな記憶はずっと残り続けるのか、本書はそのメカニズムと記憶そのものの原理について取り上げている。 第1章「記憶を制する者は人生を制する」 人間にかかわらず、動物には多かれ […]

脳科学者の母が、認知症になる―記憶を失うと、その人は“その人”でなくなるのか?

本書は脳科学の観点から認知症の分析を行っているのだが、その一方で、著者自身の母親が認知症になったことによって認知症に対する考え方について、学問を超えて、認知症との付き合い方と言ったところがメインになってくる。そのため「理論」と言うよりも「体験談」と言った方が良いのかもしれない。 1.「六五歳の母が、アルツハイマー型認知症になった」 もしも自分の母親が認知症になったならどうするか。私は既に親から離れ […]

AI時代に「頭がいい」とはどういうことか

AIの技術進化は著しくあり、今となってはIoTなど身近な所で使われるようになった。機械が意志を持つわけではないのだが、学習能力を高め、機械が考え出すようにあったのだという。AIの台頭により、人間の思考は用済みになったイメージを持たれるかもしれないのだが、人間でしかできないことはまだたくさんあると言える。またAIが使われる時代において、人間として「頭がいい」ことは必要なことであるのだが、その定義は変 […]

「次の一手」はどう決まるか―棋士の直観と脳科学

将棋や囲碁、さらには麻雀、最近ではテレビゲームのプロ舞台「e-Sports」など、いわゆる「知的格闘技」なる舞台がある。その舞台では常に「次の一手」を考えるために様々な思考力を張り巡らす。それが戦いの中で何度もある中で棋士によっては1戦で5㎏体重を落とすというようなことさえもある。次の一手を決めるために思考を張り巡らされるのだが、将棋棋士、さらには脳科学研究者のコラボレーションでもって科学的に考察 […]

脳はどこまでコントロールできるか?

脳のコントロールというと自己啓発や脳科学と行った類いなのだが、その類いのなかで学者やビジネスの成功者がひけらかしているのだが、もっとも本当にコントロールできるのかというと首を傾げてしまう人も少なくない。本書の著者もその一人であるのだが、そのコントロールをするための成功を導くのか、その妄想と心理を取り上げている。 第1章「成功者は妄想する」 成功を導くためにはイマジネーションが大切であるという。その […]

脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか

モラルは簡単に言うと「倫理」、人間としての行動・考え方における「善」そのものを指している。その指している「善」のあり方はどこに来ているのかというと行動や思考を司る「脳」のあるとも言える。しかしその「脳」がどのようにモラルをつくり上げ、刻んでいくのか、本書はそのことについて取り上げている。 1.「善悪という主観の脳科学」 善悪の分別は元々哲学や倫理学といった学問で行われるべき学問だが、本書はあくまで […]

健康長寿の脳科学

日本は高齢化社会であり、高齢者の割合も高くなってきているのだが、その中でも運動をしたり、仕事をしたり活発にすることができる「健康長寿」と呼ばれる高齢者も増えてきている。しかしその「健康長寿」のバロメーターとなる「健康寿命」がだんだんと伸び悩んできているというのだが、その要因とは一体何か、そしてその対策とは何か、本書は脳科学の観点から取り上げている。 第1章「元気に過ごせる期間は平均寿命よりも10年 […]

記憶力の正体―人はなぜ忘れるのか?

自分自身30を迎えたのだが、年を取ったという印象もある。元々物忘れが激しいのだが、最近それが顕著になってきた。あるとき出かける際、靴を履き間違えて戻ったのはいいが、再出発する際に傘を忘れてしまったということがある。 私事はここまでにしておいて、そもそも記憶力とはどのようなものなのか、なぜ「忘れる」のか、そして記憶力を向上するためにはどうしたらよいのか、本書はそのことについて取り上げている。 第一章 […]