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選書

農業と人間――食と農の未来を考える

食の問題は人間の生活の中で深く関わり、政治的な問題の一つであり、なおかつ環境問題にも影響をする部分としても挙げられる。そのために農業や食に関わることについては根深い中でありながらも重要なものとしても挙げられる。しかしその未来はどのように市べきなのか、そして議論はどのようにして発展していくべきなのかも含めて議論しているのが本書である。 第1章「フード・セキュリティ―途上国と先進国」 フード・セキュリ […]

妥協の政治学 イギリス議会政治の思想空間

政治は妥協の産物であると言う言葉をどこかで聞いたことがある。もっとも政治を行うために様々な議論を通して落としどころを見つけ、そこに行き着くためにまた議論を重ねていく。もちろん思想には右左、あるいは保守・革新などの対立があり、その対立でもって議論を積み重ねていく。その中で妥協が生まれるのだが、そもそもなぜ妥協を生み出し、それが政治として司っていくのか、そのことを取り上げている。 第一章「「自由な統治 […]

享徳の乱 中世東国の「三十年戦争」

享徳の乱(きょうとくのらん)は1455年~1483年と長きにわたって起こった戦いであり、「三十年戦争」とも呼ばれた。もっとも室町時代の中期にあたり、応仁の乱が起こった時と同時期であり、戦国大名が出始めた時期とほぼ似ている。そのため「戦国時代到来の遠因」とまで言われるようになった。 そもそも享徳の乱はなぜ起こったのか、そしてなぜ30年にわたって続いたのか、そのことについて取り上げている。 第一章「管 […]

ブルデュー 闘う知識人

ピエール・ブルデューは近代から現代にかけ、フランスの社会学や哲学を醸成した学者の一人であり、日本にも3度来日している。そのブルデューは2002年に没しているのだが、あれから15年の節目を迎える。資本主義にまつわる批評と議論について社会学的な観点から中心的人物となったのだが、そもそもブルデューの生涯はどうだったのか、その人生を思想の変化について取り上げている。 第一章「人間ブルデュー」 フランスの小 […]

サイクス=ピコ協定 百年の呪縛

「サイクス・ピコ協定」は1916年5月16日にイギリス、フランス、ロシアの間で結ばれたオスマン帝国領の分割を約した秘密協定である。昨年締結されて100年を迎えたのだが、その協定は民族差別や難民などの現在も残っている問題として横たわっている。本書は協定を「呪縛」と見立てているのだが、そもそもなぜ「呪縛」なのかも併せて取り上げている。 第1章「サイクス・ピコ協定とは何だったのか」 サイクス・ピコ協定は […]

葛飾北斎の本懐

葛飾北斎という名前を聞いて思い浮かぶものと言うと「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」や「北斎漫画」などがある。その中でも前者の中における「神奈川沖浪裏」と呼ばれる荒波を描いた絵は歴史の教科書に載るほど非常に有名なものである。そのために江戸時代後期の中における「化政文化」を代表する画家であるのだが、しかし北斎は画業に執念を燃やすあまりに埋もれてしまった作品・エピソードなどがある。そのことを掘 […]

日本とフランス 「官僚国家」の戦後史

常々日本は「官僚国家」ともいわれている。そもそも官僚が生まれたのは山縣有朋が政治の実権を握った時代からそのようになっている。もっともフランスにも形は違えど、日本に似ている官僚国家である。その官僚国家はいかにして形成づけられ、それぞれの国における官僚国家のあり方は何か、第二次世界大戦後の歴史とともに追っている。 第一章「戦後への「負の遺産」」 フランスではナチスドイツの侵攻を受け、なおかつレジスタン […]

アウンサンスーチーのビルマ――民主化と国民和解への道

アウンサンスーチーといえば現在のミャンマー、当時のビルマの時代から民主化への道をひたむきに進んでいった活動家であり、当時は軍事政権の中で軟禁状態にありながらひたむきに民主化に向けて動いた。その民主化は達成しつつあり、彼女の願いは叶えつつある。その願いが叶うまで、アウンサンスーチーはどのような人生を送ってきたのか、そのことを取り上げているのが本書である。 第1章「半生を振り返る」 元々アウンサンスー […]

凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語

地球温暖化の話についてよく言われているが、地球の歴史をたどってみると「氷河期」なるものも存在したし、今から1000年前には今よりも暖かい時代があったという話も聞いたことがある。こういった状況を鑑みると、確かに地球温暖化はあるのだが、実は地球は長い目で見ると寒暖の差があり、なおかつ氷河期もあるという考えにも行きつく。そもそも本書のタイトルにある「凍った地球」と呼ばれるような状態はいつ頃から起こったも […]

死刑執行人の日本史―歴史社会学からの接近

日本の刑法上、死刑は存在しており、年に何回かは死刑執行が行われる。ちなみに死刑執行の最終承認者は法務大臣であり、そのサインでもって死刑が執行されるという。そのサインをしたことにより、ニュースになることがあり、そのたびに死刑廃止論者が批判をするというお決まりのパターンになってしまっている現状にある。 しかし死刑の歴史は太古にまでさかのぼる。それも死刑と言っても今のように絞首刑や毒殺刑だけではなく、八 […]