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選書

指揮者の役割―ヨーロッパ三大オーケストラ物語―

オーケストラにおける指揮者は、演奏はしないものの、演奏者と演奏を統率する役割を持つ。そのため指揮者に要求されるものは音楽性のみならず、曲そのものの解釈をどうするのか、という判断力や分析力も問われるので、演奏者以上に気を遣う役割とも言える。本書は指揮者の役割について世界でも名だたる管弦楽団を3つ紹介している。 第一章「指揮者なんて要らない?―ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」 「音楽の都」と呼ばれ […]

危機の指導者 チャーチル

イギリスの名宰相というと歴史を紐解くと何人かいるのだが、第二次世界大戦前後だとウィンストン・チャーチル以外考えられない。特に「戦争」という危機の時代に強いリーダーシップを発揮し、イギリスを窮地から救った。本書はそのチャーチルの生涯をもとに、日本人が持つべき指導者のあり方を示している。 第一章「生き急ぐ若者」 ウィンストン・チャーチルがこの世に生を受けたのは1875年の時である。父親もまた英国の政界 […]

名づけの民俗学

地名や人名の歴史・習俗についてどのようなルーツで名づけられたのかについて考察を行っている。特に「人名」については毎年、明治安田生命が「名前ランキング」と言うのを行っており、男女それぞれ上位100位まで公開している。どこがソースだか忘れてしまったが以前ニュースで特徴的な名前のような記事もあれば、過去に比べて名前も変化しているというものもあったような気がする。 それはさておき、人名にしても地名にしても […]

ネット評判社会

「評判」と言うと、けっこう「口コミ」と呼ばれる事がある。かつては雑誌や噂話、さらにはTVなどが中心となっていたのだが、最近ではインターネットのサイトやブログ、さらには掲示板と言った所から噂が広がり、人気を得たり、逆に人気がなくなったりしている。こう考えてみると「評判」が起こる場所が異なっているだけの様にも見えるのだが、実際の所それだけではないと言える。 本書はネット評判の歴史と研究を通じたメカニズ […]

茶の湯の歴史

「茶の湯」、いわゆる「茶道」の歴史は千利休が創始した「わび茶」が有名だが、実際の所歴史を紐解くと中国大陸の歴史からずっとあるのだという。「茶の湯」や「茶道」というと、奥ゆかしく、敷居が高いと思われがちだが、現在に至っては世界中に広がりを見せており、もはや大衆でも茶道の様式は広まりつつある。もっと言うと茶道の流派自体も、有名な「三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)」を始め数えるだけでも2桁は存在す […]

男性学の新展開

当ブログでは今まで何回か「フェミニズム」や「女性学」について論じてきたのだが、今回は「女性学」と相対する「男性学」について取り上げて行こうと思う。そもそも「男性学」と呼ばれる学問が展開されたのは1980年代後半から、それ以前にフェミニズム論議が隆盛を極めたことによる対抗として成り立った。「男性学」という学問が生まれてから何冊か本も出ており、「ウーマン・リブ」ならぬ「メンズ・リブ運動」も起こったのだ […]

絵はがき100年 近代日本のビジュアル・メディア

今年の4月1日より消費税が5%から8%に増税され、16年ぶりの消費税増税となる。それと同時に郵便料金も20年ぶりに値上げするなど、値上げラッシュが枚挙に暇が無い。ハガキや切手などが値上がりするのは個人的にも、仕事の関係上嫌な気分になってしまうのだが、景気を上昇させるため、あるいは福祉を充実するためには多少の犠牲も致し方がない部分もある。 さて、本書の話に移るのだが、ハガキの料金が値上げしたことと何 […]

お線香の考現学―暮らしに根付くお線香の香り

今日は3月21日、春分の日である。その時期は「春のお彼岸」と呼ばれ、墓参りに行く方も多いことだろう。その時にお供え物の他にもお線香を用意するご家庭も多い。 さて、墓参りや仏壇に添える「お線香」にはどのような種類があり、どのように作られていくのか、分からない所もけっこうある。本書は私たちの暮らしにも密接している「お線香」のイロハについて取り上げて行く。 一章「「香」について」 「お線香」の話に入る前 […]

ミッキーはなぜ口笛を吹くのか~アニメーションの表現史

今、巷で放送しているアニメの本来の言葉は「アニメーション(Animation)」と呼ばれており、 「少しずつ動かした人形、または少しずつ変化させて描いた一連の絵などを一こまごとに撮影し、これを連続映写して動きの感覚を与える映画・テレビ技法。漫画・劇画映画・テレビ番組の制作に使用。また、その映画・テレビ番組。動画。アニメ」(「広辞苑 第六版」より) という意味がある。しかし日本のアニメは相も変わらず […]

日本の味 醤油の歴史

日本人にとって書かせないものとして「醤油」がある。料理の「さしすせそ」としても「せうゆ」として「醤油」が挙げられる。日本における「醤油」の歴史は深く、日本でも広く扱われているだけではなく、海外でも英語で「ソイ・ソース(soy sauce)」として愛されている。 「歴史は深い」と書いたのだが、そもそもの歴史はどのようなものなのか、本書は醤油そのものの歴史から、関東・関西・九州それぞれの地方の醤油の歴 […]