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選書

権力移行―何が政治を安定させるのか

「権力」は未来永劫、同じ所にあるわけではない。日本の政治でも民主党や自民党が政権交代したように権力は年が経つにつれて「移行」してしまう。 本書は日本の政権がどのように「移行」して行ったのか、そしてこれから政権交代はどのように変化をするのか、そのことについて追っている。 第一章「自由民主党「長期政権」の確立」 戦後「政権交代」が行われたものとして、戦後間もないときにはあ1947年(第一次吉田内閣)、 […]

北のはやり歌

日本の歌謡曲の中には「春夏秋冬」と言うような季節もあれば、具体的な地名を挙げて、その場書の風情を表している曲もある。本書は「北」をテーマにしているのだが、決して「北朝鮮」ではない。北海道や東北などの「北日本」、あるいは北日本からやってくる、あるいは北日本に行く時のことを歌にした曲の中で大ヒットした作品10曲を紹介しつつ、なぜ「北」が流行するのかそのメカニズムについて迫っている。 第一章「リンゴの歌 […]

海辺の恋と日本人~ひと夏の物語と近代

海というと、夏の海水浴を連想する人も多い、中には各種サーフィンなどマリンスポーツを連想する人もいることだろう。取り分けマリンスポーツの中には冬でも行っているものもあり、私の住んでいる近くの由比ヶ浜に行くと、砂浜を歩く人、あるいはサーフィンをする人もよく見かける。 日本人と「海」は多くの歴史があり、それにまつわる物語も多い。本書は海と日本人の物語作品の変遷を追っている。 第1章「物語の発生―夏の海辺 […]

戦国武将の死生観

今となっては超高齢社会という時代だったのだが、戦国時代を遡ってみると50年生きられるかどうかわからなかった時代である。小さい子供でさえも無くなる可能性の高かった時代だった。 その時代の中で武士・武将たちはどのような「死生観」を持っていたのだろうか。本書ではそのことについて考察を行っている。 第一章「三英傑 信長・秀吉・家康の死にざまと死生観」 「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。ひ […]

文明と教養の<政治> 近代デモクラシー以前の政治思想

昨今の政治は「民主主義政治」である国は先進国を中心に多くある。その一方で独裁国、あるいは共産主義、社会主義の国も少なくない。政治形態そのものは世界の国の数だけ存在する、と言うことが言える。しかし政治形態は時代と共に変化していくのは人類、あるいは動物の進化と同じようなものである。では現在の様な政治はどのような形で「変化」をして行ったのか。本書は近代と呼ばれた時代以前の政治形態を文明などの観点から紐解 […]

いま「食べること」を問う―本能と文化の視点から

「食育」という言葉が出たのは1896年頃に、医師であった石塚左玄が「化学的食養長寿論」にて初めて取り上げられたことから始まる。しかし当時はそれほど認知されていなかったが、時は経ちバブル景気の時代に入った頃から言われ始めた。「飽食」と呼ばれるほど食べ物が豊かになってから頻繁に使われ始めたのだが、その時代だからでこそ「食べる」ことについて問う必要があるのかもしれない。 本書は食品メーカーであるサントリ […]

SL機関士の太平洋戦争

大東亜戦争(太平洋戦争)は様々な記録・記憶が残っているが、本書はSL機関士の観点から大東亜戦争とは何だったのか、元機関士の証言をもとに綴っている。大東亜戦争前は日本本島もさることながら、満州や台湾、朝鮮半島での近代化も行われてきたのだが、中でも鉄道は輸送機関として貴重なインフラ資源だった。 第一章「機関士を目指した愛国少年たち―14歳で機関区の門を叩く」 戦前、SL機関士は少年にとって憧れの職業で […]

木材革命―ほんとうの「木の文化の国」が始まる

元々日本では「木材」を重宝し、家などの建物に使われた。江戸時代は「木」で作られた建物がほとんどで、例外というと城の石垣くらいだったが、明治維新になった時に「木は脆く、火事や地震に弱く、古臭い」といって蔑視し、レンガなど非木材が使われた洋館を建設するようになり、戦後になると、その潮流がさらに加速し、コンクリートや鉄を多用するようになってきた。さらに木材の蔑視は拍車を書け、林業に対して、木材に関して知 […]

愛国・革命・民主~日本史から世界を考える

明治維新以降「近代国家」が作られたのだが、西洋を中心とした「列強」とは一風変わった変化・経験を積んできた。その大きな原因として、長年「鎖国」を行ってきた江戸時代の経験によるものだという。 日本の経験は、諸外国から見たら「特殊」と言えるような経験だが、どのような根拠で「特殊」と言えるのか、そしてそもそも「普遍」の経験は何なのか、本書はタイトルにある「愛国」「革命」「民主」の観点から日本史を紐解いてい […]

妖怪学の祖 井上圓了

「妖怪」の話は日本でも大昔から言い伝えられている、古くは「祟り」として人に疫病をもたらすと言われていた。江戸時代にはいると、「瓦版」と呼ばれる現在のニュースが妖怪にまつわる話を載せるようになったのだが、大概は迷信やデマだったという。 その妖怪の話について「学問」として確立し、妖怪の歴史や民話を集め体系化させた学者がいる。その学者の名は「井上圓了」。本来は哲学者・宗教学者出会ったのだが、なぜ「妖怪学 […]