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アジア

旅を栖とす

ここ最近エッセイを読むのだが、たいがいは「旅」にまつわる本が中心となっている。仕事柄、旅行に行く時間もなく、なおかついざ旅行をする時間があったとしても、どこに行こうか迷っている間に時間が無くなってしまう性分である。そのためか旅らしい旅は人生において数えるほどしかない。 私事はさておき、本書の著者はバックパックで10年もの間、国内外を渡り歩いていた。その10年の旅の記録を綴ったエッセイである。アジア […]

我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち

人類が誕生したのは約400万年前、アウストラロピテクスが出現したときに始まる。そこから人類としての進化が始まり、ジャワ原人、北京原人などの原人から、今のようなホモ・サピエンスになっていった。その人類の進化について、特にアジアの観点からどのような進化を遂げていったのか、本書ではそのことについて取り上げている。 第1章「人類進化を俯瞰する」 人類の進化を大きく分けると4つに分類される。「猿人」「原人」 […]

娼婦たちは見た イラク、ネパール、中国、韓国

売春をするところは世界中探してみるといくつか見つかる。もちろんそれを中心にした場所はいくつかあり、日本でも東京の吉原や川崎の堀之内など数多くある。本書は特に海外における売春の実状を追った一冊であるのだが、特にアジアの娼婦たちが中心となっている。 第一章「戦争とテロとポルノ―イラク」 2003年に「イラク戦争」が勃発し、今となってはISILのテロが続発している。その続発している中で慰安を目的とした娼 […]

儒教とは何か

「儒教」は韓国や中国など、東アジアを中心に伝えられている「思想」である。実際に宗教なのかというと本書にて紹介するが、信仰の対象と言うよりも倫理的な基準として表されていることから、必ずしもそうとは言えない部分が多くある。もちろん日本でも「儒教」の教えが浸透している部分があるのだが、果たして儒教はどのように成り立ち、そして東アジアの人々に根付いているのか、その部分について取り上げている。 なお、本書は […]

カラー版 最後の辺境―極北の森林、アフリカの氷河

世界の中には不思議と呼ばれるような場所や文化がある。もっとも場所によっては「秘境」と呼ばれるような場所がいくつも存在する。その中でも著者が1979年~2003年とおおよそ四半世紀にわたって触れてきた秘境を8カ所に分けて取り上げている。 第1章「地図の空白部を歩く カラコルムの五大氷河<1979年>」 インダス川の源流部にある「カラコルム」には秘境が数多くある。もっとも山脈や渓谷となるものがあるのだ […]

箸はすごい

あけましておめでとうございます。本年も「蔵前トラックⅢ」をどうぞよろしくお願いいたします。新年一冊目の本は少し正月というかそれに近いような内容の本をお送りいたします。 年始に食べるものとして雑煮やお節がある。最も年末にはそれをつくるためにひたすら料理し、三が日はそれをゆっくりと食べながら過ごすこととなる。最もその料理を嗜むものとして箸がある。それに限らず日本料理などでおおく「箸」を使うことがあるの […]

蚕食鯨呑――世界はおいしい「さしすせそ」

本書で取り上げている四字熟語はそのまま文章にすると、 「ときに蚕のように食べ、ときに鯨のように呑む」 とある。こういった四字熟語は飲み食いのことを言っているように見えて、実は食べるように国を侵略するようなことを形容して表したものである。しかし本書はそのままの意味で、食べ物・飲み物がたくさん出てくるエッセイ集である。 しかし取り上げられる「飲み物」「食べ物」は日本だけではなく世界中のおいしい飲み物・ […]

インド 第三の大国へ――<戦略的自律>外交の追求

人口で10億人以上もいる国は中国のほかにもう1国ある。それは「インド」。インドはアジアを代表した一国であり、これから大きく成長する可能性を秘めている国といえる。日本とはインド独立してから良好な関係を持っており、中国以上に緊密にすべき国の一つといえるのだが、インドにはどのような可能性があり、どのような課題を持っており、そして日本はどう接したらよいのか、本書はそのことについて取り上げている。 第1章「 […]

モンスーンアジアのフードと風土

日本をはじめとしたアジアの地域は「モンスーン」と呼ばれる「季節風」が吹いている。それにより四季折々の季節がはぐくまれ、多様な気候を彩ってきているが、それと同時に風土が生まれ、フードをはじめとした文化が育まれてきた。その育まれてきた文化や風土はどのようなものがあるのか、本書はそのことについてフィールドワークを通じて考察を行っている。 第Ⅰ部「モンスーンアジアの自然と稲作」 モンスーンの影響を受けてい […]

「李香蘭」を生きて

今年の9月7日、李香蘭こと山口淑子が94歳という年齢でこの世を去った。戦前~戦中ではアジアの大女優・大歌手、そして晩年は国会議員として活躍した重要な人物が失ってしまったことになる。戦前から戦中の歴史を紡いできた「李香蘭」はいったいどのような思いで演じてきたのか、そして戦後の人生の中で影響を及ぼしたのか、自ら綴った一冊である。 第一章「「李香蘭」誕生」 李香蘭こと山口淑子は1920年当時「中華民国」 […]