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ドイツ

リヒトホーフェン―撃墜王とその一族

ミリタリーのマニアの中には本書のタイトルにある「リヒトホーフェン」という人物をご存じの方もいるのかもしれない。サブタイトルにもあるようにドイツ帝国の軍人で、とりわけ航空隊での武功が最も有名である。特にアニメキャラのモデルにもなるのだが、それは後述する。本書はその撃墜王と呼ばれたマンフレート・フォン・リヒトホーフェンとその家族を取り上げている。 第1章「撃墜王―マンフレート」 マンフレート・フォン・ […]

ナショナリズムを陶冶する ドイツから日本への問い

政治思想は「~イズム」などの用語が多数ある。特に言われているのが「ナショナリズム」であるのだが、ようは「民族主義」や「国家主義」と呼ばれており、自国を中心とした考え方を表している。よくニュースの政治思想でも、直接「ナショナリズム」を出すようなことはそれほどないものの、それに近いニュアンスで出されることも度々ある。 ではナショナリズムはどうやって「陶冶(とうや、才能・技術をつくり上げていく)」してい […]

ヴィルヘルム2世 – ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」

ドイツ帝国最後の皇帝であり、プロイセン王国最後の国王でもあったヴィルヘルム2世は、一貫した帝国主義を主張し、第一次世界大戦の引き金を招いた。さらにその世界大戦で実権を喪失し、さらにはドイツ革命までもたらされ、退位・亡命し、生涯を終えると言った生涯だった。なぜ彼は世界帝国を目指し、そして第一次世界大戦の引き金を引いたのか、その生涯を追っているのが本書である。 第一章「二人にヴィルヘルム」 ヴィルヘル […]

ハオスフラウ

アメリカとスイス、そしてドイツの3国が入り交じっているような気がしてならなかった。本書の舞台はスイスのとある街にあるドイツ語教室。その教室には様々な人がいるのだが、一人にとあるアメリカ人がいた。 ドイツ語というよく分からない言語を習得する傍ら、その習得する中で様々な人との代わりを持つこととなった。時には「情事」と呼ばれるようなことにあったとしても。 しかしその関わり合いには「嘘」がつきまとう。もち […]

史上最高に面白いファウスト

ゲーテの名作の一つに「ファウスト」という戯曲がある。表向きとしては教養人ファウストの努力の物語というのだが、錬金術から黒魔術、さらにはその知性を得るために悪魔とも契約し、欲望の赴くままに動くといった作品である。構想60年を経て作り出された戯曲は数多くの作品にインスピレーションを受けたとしても知られている。有名どころではベルリオーズの「ファウストの劫罰」、ワーグナーの「ファウスト序曲」、さらには手塚 […]

ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由

日本の良さは日本人にわかるものもあれば、外国人にしかわからないものもある。その中でも著者は駐日ドイツ大使、及び大使館勤務を合わせて8年間日本に滞在してきた中で日本の良さを取り上げている。もちろん本書もその一つであり、なおかつドイツ語でも同じような本を上梓している。 1章「日本文化は面白すぎる」 日本にはアイドルやオタクの文化があるのだが、そこには日本にしかない「ソフトパワー」が存在するのだという。 […]

ヘーゲルとその時代

ドイツを代表する哲学者の一人としてヘーゲルがいる。そのヘーゲルが生きた時代は、だいたい18世紀後半から19世紀前半、「活躍した」という面では19世紀に入ってからのことである。この19世紀に入った頃、ドイツはどのような状況なのか、そしてそれが「精神現象学」や「法哲学綱要」などの著作を生み出していったのか、それについて考察を行っている。 第1章「フランス革命と若きヘーゲル」 1789年~1795年に起 […]

ヒトラー演説 – 熱狂の真実

「独裁者」の象徴の一人として挙げられ、第二次世界大戦のきっかけの一人となったアドルフ・ヒトラー、ヒトラーの演説は政界に登場してから死ぬまで25年間で数多く行われ、本書はその演説を集めている。演説の場所・内容はさまざまであるが、表現やレトリックを探っていき、なぜその演説が当時のドイツの人々を熱狂させたか、本書はそのことについて取り上げている。 第一章「ビアホールに響く演説―1919~24」 ヒトラー […]

<通訳>たちの幕末維新

江戸時代における日本には「鎖国」の状態にあったのだが、中国大陸(明・清の王朝)とオランダに限って貿易を行っていた。ただ、オランダ人や中国・朝鮮人だけが鎖国時代の日本に来たのか、と言う塗装ではない、シーボルトをはじめとしたドイツ人、トゥーンベリをはじめとしたスペイン人も日本にやってきていた。その窓口となったのが出島(長崎市の南部)だった。 その出島では、「通詞(つうじ)」と呼ばれる集団もいた。辞書で […]

市民がつくった電力会社~ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命

2011年3月11日の東日本大震災、そこから発生した「福島第一原発事故」を機に発電エネルギーとして自然エネルギーにシフトしていった。とりわけ「太陽光発電」の需要は急速に伸び、民家やオフィスにソーラーパネルを取り付けるところも増えていった。 原発事故を機に電力会社不信も高まり、あたかも「差別」の如く扱われているようだ。そこで本書である。ドイツの南部、シュバルツバルトと呼ばれる地方にある小さな町「シェ […]