TAG

ナンセンス

余命3000文字

本書は表題作を含めて、数多くの作品を収録しているショートショート集である。特に冒頭の「余命3000文字」は文字数もカウントされており、なおかつ3000文字の中で物語を見事に描かれている所に驚きがあった。また他にも「彼氏がサバ缶になった」などナンセンスのものから、「食べログ1.8のラーメン屋」などリアリティがあるようでいて、風刺が効いている作品(むしろ小噺というべきか)まで収録されている。 小説にな […]

OJOGIWA

本書の表紙を見て「往生際はどうか?」と言う答えは省いておきたい。 言うまでもなく「往生際」に関しての物語であるが、そもそも「往生際」とは、 1.死にぎわ 2.ぎりぎりのところまで追いつめられたとき。また、そのときの態度。「広辞苑第七版」より とある。追い詰められた時に見せる態度の良し悪しによって、「往生際が良い」「往生際が悪い」といった表現になるため、よく表現される点では2.が多い。 本書はどちら […]

焼餃子

本書の第二部としてある餃子戦争は少し形を変えて今も続いている。それは宇都宮・浜松の戦争である。しかしその戦争はさらに宮崎も加わろうとしている。今は浜松が有利であるが、宇都宮も天下を奪い返さんと攻めており、一方で宮崎も虎視眈々と奪取せんと躍起になっている。 ただしこれは現在ある焼餃子戦争であるが、本書は大きく異なり、今や国民的グルメとなっている「焼餃子」はどのようにして生まれたのか、本書はスケール大 […]

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集

「童話」と言うと、非常にわかりやすく、子供でも読みやすいようにつくられ、なおかつためになるものがほとんどである。 しかしながら、本書はSFにしたものは良い。それどころか展開そのものをエキセントリックなものになっているため、「新手の短編集」といった扱いにした方が良いかも知れない。 ちなみに本書は「シンデレラ(灰被り姫)」「竹取物語」「白雪姫」「さるかに合戦」「おむすびころりん」「アリとキリギリス」を […]

豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件

本書のタイトルを見ただけでもナンセンスコメディであることがよく分かる。しかしよく考えてみるとなぜ罵倒の言葉の一つに「豆腐の角に頭ぶつけて死ね」と言う言葉は調べてみると、 「「死ね」という罵倒表現を冗談めかして滑稽に述べる言い方。落語に由来する。冗談を冗談と受け止められないようなつまらない人間を揶揄する(明白な冗談であるが真に受けてしまえという意味を込めた)言い回し」(Weblio辞書より) とある […]

怪物率

禍々しく見えるタイトル、及び表紙である。そのためホラーかつミステリーの要素があるのかなと言うイメージを持ってしまうのだが、実際にはミステリーではあるのだが、怪物の要素があるとは言え、ある意味ナンセンスさが溢れており、逆の要素があるのかも知れない。 中身を見てみるとミステリーのハラハラ感があるとは言え、ミステリーを解いていくうちに、奇想天外な展開を見せることがあったためにミステリーギャグの印象を持っ […]

スペース金融道

見るからに奇天烈なタイトルであるのだが、宇宙で金融を行っている人々がどのようなことを行ったのかを描いている物語である。SFの要素もあるのだが、コメディの要素が非常に強い。というのはナンセンスな物語でありつつ、なおかつ金融関係の言葉が次々と出てくる。 物々しいような言葉が出てくるのだが、悪さや怖さと行ったものがほとんどないのも不思議であるのだが、もともとSFであり、ナンセンスの要素がふんだんに盛り込 […]

100億人のヨリコさん

ある意味で増殖しているような生き物なのかと思ったのだが、実際に大量の「ヨリコさん」が出現して奇想天外な展開を見せるというような物語である。 「フィクション」であるが故のナンセンスさであるのだが、そのナンセンスさがとても小気味よく、なおかつテンポが良かった。 本書はとある大学の学生寮が舞台であるのだが、その舞台にはまさに「個性的」という枠ではとても捉えきれないほどの学生が住んでいる。しかも、その学生 […]

金を払うから素手で殴らせてくれないか?

本書のタイトルに出くわした瞬間、思わず「嫌です」と答えてしまう。もっとも「いいよ」と答えてくれる人もめったにいないような気がするが。 しかしながらそういった感情に苛まれるような状況は「必ず」とまではいかないものの、状況に出くわすようなことは存在する。その存在する感情がいかにして生まれるのか、本書はそういった状況に陥るようなストーリーが紡がれている。 しかし本書のような状況は、言葉にしてみれば「ナン […]

出世をしない秘訣 改訂新版―でくのぼう考

ビジネス書を見ると、「デキる人の~」や「出世できる人~」という本が立ち並ぶ。おそらく本書のような本はなかなか出てこない。これほどまでに穿った本は見たことがないとも言える。 ビジネス書に辟易を持った人であれば、本書を手にとってほしい。まさに「ナンセンス」と呼ばれながら、実践を重用するビジネス書だからでこそ、「読んだら実践するな」というような一冊、それが本書と言える。さてその中身を見てみよう。 Ⅰ.「 […]