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伝統

ガダマー入門―語りかける伝統とは何か

本書は哲学的考察であるのだが、ドイツの近現代の哲学者である、ハンス=ゲオルク・ガダマーを取り上げている。ガダマーが逝去したのは2002年。18年前のことである。当時の哲学というと、ハイデガーやハーバーマスといった人物が有名で、ガダマーは私自身も本書に出会うまでは知らなかった。本書はガダマーの哲学について入門書として取り上げている。 1.「ガダマーの伝統的解釈学批判は誤っているのか?」 ガダマーの哲 […]

ショパン・コンクール – 最高峰の舞台を読み解く

ピアノの音楽コンクールの最高峰である「ショパン・コンクール」、舞台はポーランドで行われ5年に一度行われる。ピアノコンクールではあまりにも有名で後にアニメ化されたマンガ「ピアノの森」の舞台にもなったほどである。次回行われるのは2020年であるのだが、本書は最近行われた2015年のことであるのだが、その舞台は私たちの想像を遥かに超えるものだった。 第一章「2015年の予備予選」 もっともショパン・コン […]

大和屋物語――大阪ミナミの花街民俗史

花街というと様々な「遊び」を嗜むことができる場所である。その多くは京都・花街であるのだが、大阪にも花街は存在する。その場所は現在でいう所の「ミナミ」と呼ばれ、かつては「南地」と呼ばれるところである。その南は花街であるのだが、現時点で遊びのできる茶屋は一つのみである。その花街にはかつて燦然と輝く茶屋があった。その茶屋は「南地大和屋」である。その店には司馬遼太郎、三代目桂米朝ら多くの人々に愛された場所 […]

生類供養と日本人

「生類供養」とは本書のまえがきにて、 「「生類」が何なのか、本来は厳密な規定が必要なのかもしれない。だがここでは、生きもの=動物と考えていただいてよい。具体的には、本書で扱っている生きものの全体である(ただし、本来の「生類」にはヒトも含まれる)。そしてわが国においては、「供養」こそが動物の命を奪う、いただく際の罪悪感を薄める「装置」、ないし「行為」または「儀礼」と考えていただきたい」(p.14より […]

イルカを食べちゃダメですか?~科学者の追い込み漁体験記

本書が出版されたのは2010年の7月、ちょうどドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ(THE COVE)」が世界で公開されたのだが、国内外で賛否両論の意見が相次いだ。特に日本では伝統漁業をプロパガンダとして扱われていたことに非難をし、逆に賛同する意見としては「イルカ漁の現状について知る事ができる」という意見がある。しかし手法について「隠し撮り」や「盗撮」といったことが使われるなどその面でも批判がある。 […]

科学者の卵たちに贈る言葉――江上不二夫が伝えたかったこと

現在、日本に海外にと活躍する研究者は少なくない。学問にしても別に科学者に限ったことでは無く、様々な分野で日本人は活躍している。現にノーベル賞を受賞した方々もおり、世界的な競争の中でトライ&エラーを繰り返しながら切磋琢磨を続けている。 著者は1962年からおよそ50年にわたって科学技術の研究を続けた傍ら、多くの科学者を輩出してきた。自らの経験を活かして、これから科学者となる方々のための贈る言 […]