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噺家

はなし家たちの戦争―禁演落語と国策落語

落語と戦争は切っても切れないものである。もっとも現在でも語り継がれている昭和の名人たちは様々な形で戦争体験をしてきた。ある名人は慰問のために海外に渡り、ある名人は招集を受け、兵隊として戦争に駆り出されるといったことがあった。また国策として「禁演落語」として封じられた噺もあり、なおかつ様々な変化があったという。逆に「国策落語」として演じることを奨励した噺もある。その禁演・国策それぞれの落語と噺家たち […]

プロの尼さん―落語家・まるこの仏道修行

本書で取り上げる落語家は「尼さんであり落語家である」方であるが、仏門に入った落語家は存命している落語家の中では三代目三遊亭円歌が挙げられる。そう考えると仏門に入った落語家はいないわけではないのだが、非常に珍しい。もっと言うと今でこそ女性の落語家は出てきているのだが、上方でも三代目桂あやめをはじめ数人しかおらず、こちらの面でも珍しい。 話を戻す。そもそも著者はなぜ落語家になり、それでいて仏門に入った […]

落語の達人~この噺家を忘れてはいけない!

「落語の達人」というと五代目古今亭志ん生や八代目桂文楽、六代目三遊亭圓生などが挙げられるが、本書では落語をあまり知らない人でも「名人」と呼ばれるほどの落語家をさしておらず、むしろ「通」と呼ばれる方々がファンにとって印象に残る落語家の中から3人を取り上げている。 <五代目 柳家つばめ> 元々の名跡は「柳家つばめ」であるが、本章で紹介される五代目の次である、六代目だけは「柳家つば女」という名跡だった( […]

ろんだいえん―21世紀落語論

もはや落語界ではアンダーグラウンドの論争の様相を見せている「円生後継問題」。円生襲名に名乗りを挙げたのは三人。一人は円生の弟子の六代目三遊亭円窓、一人は五代目円楽の一番弟子の三遊亭鳳楽、そして円生最後の直弟子である三遊亭円丈である。 前の二人は本格的な古典派である一方(円窓は五百噺など創作落語にも力を入れていることも付け加えておく)、円丈は徹底した新作派として有名であり、現在売れている春風亭昇太や […]

極上 歌丸ばなし

もはや「「笑点」の顔」とであり、落語芸術協会の会長であり、ついこの前まで肺気腫で入院していた桂歌丸の自伝である。本書が発売されてまだ間もない時に笑点で本人が宣伝していた時に三遊亭楽太郎が「遺書ですか?」と言ったそうだが、笑点を見ている限りではあと30年は大丈夫だろう。 第一章「生まれ育った真金町」 八代目桂文楽が「黒門町」、三代目古今亭志ん朝が「矢来町」と言われるが如く、桂歌丸も「真金町」でまかり […]