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報道

第四の暴力

「暴力」は非常に怖いものである。暴力がいったん発生すると、その報復が暴力として行われ、やがてそれが広く伝播する。本書のタイトルのように第二・第三、そして第四の暴力として形成づけていく。 本書は「報道被害」や「過熱報道」といった「暴力」を取り上げている。集落が豪雨被害に遭い、唯一生き残ったのだが、その生き残りをあたかも見せしめのように逆なでするような報道を行うといった風潮に怒りを露わにしていった。そ […]

放送の自由―その公共性を問う

「放送の自由」というと、かつては自由があったのだが、今となってはBPOなどの圧力から自由がなくなった、つまらなくなったといった声も少なくない。また放送自体も同じ内容の二番煎じ・三番煎じといったものから、内輪受けのようなものもでてくるなどもある。また報道については「自由と平等」が果たして担保されているのか自体が不明という有様である。本書は放送制度をはじめとした歴史を紐解きつつ、法律や倫理を当てはめな […]

フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ

ドナルド・トランプが大統領となった大統領選の中で取り上げられることがあった。最も根幹としては2016年12月に起こった「ピザゲート発砲事件」であり、その間もない時に大統領選でも盛んに使われた。トランプが大統領就任した時には特定のメディアに対して「君たちはフェイクニュースだ」と主張したことも記憶に新しい。 インターネットの中で流れる情報も玉石混淆と呼ばれる中でフェイクニュースは科学的な観点でどのよう […]

NPOメディアが切り開くジャーナリズム 「パナマ文書」報道の真相

かつて「パナマ文書」なるものがあった。国内外問わず財界人がリストアップされるほどであり、なおかつ財界人の「タックスヘイブン」を行ったことによることで大きな話題となった。もっともそれを報道したのはNPOメディアであったのだという。「パナマ文書」がなぜ出てきたのか、そしてNPOメディアとはどんな存在なのかも併せて取り上げている。 第1章「パナマ文書の衝撃」 もともと「パナマ文書(「パラダイス文書」とも […]

図説 日本のメディア

「日本のメディア」にも今となっては多岐にわたるのだが、メインとなっているのは、新聞・雑誌・テレビが中心となっている。さらに新興としてインターネットなどが挙げられる。もちろん広告にしても一種の「メディア」であり、メディアとひとえに言ってもニュースのみならず、マーケティングの一種にもなっている。 そもそも日本における「メディア」とはどのように定義し、なおかつそのメディアをどのようにして利用していくのか […]

伝える力2

前著である「伝える力」が100万部を超えるベストセラーとなった。本書はその続編となる一冊であるが、本書では東日本大震災の報道のほかに、著者がメインキャスターとして活躍した番組の裏話、そして著者が「わかりやすく伝える」ことで苦しんだエピソードなど、前著では書ききれなかったところまで伝えている。 第1章「東日本大震災と「伝える力」」 東日本大震災では2万人もの人命を失い、多くの家屋が壊された、戦後最大 […]

仮説の検証 科学ジャーナリストの仕事

私自身、昨年の小保方問題にて「科学ジャーナリズム」とは何なのかを考えるようになった。科学ジャーナリズムといえば、科学における新発見や事件などについて、テクニカル、なおかつわかりやすく伝えつつ、批判的に考察を行うという立場にあるのだが、実際に一連の小保方問題を見ていて疑問に思ってしまったことから本書を取り上げた。 本書はNHKのディレクターとして、解説委員として、科学ジャーナリストとして生きてきた方 […]

テレビは総理を殺したか

テレビをはじめとしたメディアは「権力を監視する」という名分のもと首相などの権力者を批判することが多い。新聞記事にしても社説にしても方向は違えど、いつも批判ばかりで、テレビにしても記者やコメンテーターが好き勝手に報じている印象がある。中には「過熱報道」による「報道被害」を起こしたケースも存在する。 本書は政治報道のあり方として、政治家をたたき、辞めさせることがすべてなのだろうか、本当の意味での「報道 […]

悲しみを生きる力に――被害者遺族からあなたへ

天災と同じように、悲しみも突然起こる。それは交通事故もあれば、殺人事件まで存在する。本書で取り上げる遺族は、事件から13年の月日が流れた現在でも謎に包まれている「世田谷一家殺害事件」の遺族である。家族を殺害された悲しみもあるのだが、それ以上に今でも解決されていない苛立ちもある。 本書は事件から13年経った今、当時から今までの状況を振り返っている。著者は実際に殺害された家族を妹に持ち、隣に住んでいた […]

性犯罪報道

性犯罪の事件が後を絶たない。しかしその性犯罪の事件はメディアではあまり報道されることがない。しかし、性犯罪の被害を受けた女性達は今もなお、性犯罪の苦しみにもがき続けている。 性犯罪がメディアで取り上げられない理由、それは「人権」にまつわるものもあれば、ある種の「タブー視」があるのかもしれない。 本書は読売新聞が性犯罪の現状について、被害者の取材をもとに明かしている。なお、本書は読売新聞で2010年 […]