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子ども

戦争花嫁 ミチ――国境を越えた女の物語り

昨今もロシアとウクライナの戦争が起こっており、戦争とまではいかずとも世界各地で紛争などの争いは絶えない。また歴史の授業の中でも学んだ方も多くいるが、日本でも大東亜戦争、日清・日露戦争など数多くの戦争を経験してきた。 その中で本書で取り上げるのは「戦争花嫁」である。調べてみると、 戦時中に兵士と駐在先の住民の間で行われた結婚に言及する際に使われる言葉で、通常、兵士と結婚した相手のことを指す。主に第一 […]

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

本書は短編集であるが、人間としての生と死、さらには青春にいたるまでのジャンルが網羅されている。子どもの無邪気なエピソードかと思いきや重い話になってしまうこともあれば、いきなり「恋人の死」に直面するようなエピソードに至るまで、本当の意味で「網羅」されているようである。 短編集でありながらも先述の理由から読み応えがあり、自分自身の生と死を考えさせられる一冊に仕上がっている。不思議な感覚の一冊であるが、 […]

ひきこもりのライフストーリー

「ひきこもり」自体は今も昔も変わらず取り上げられている。ネガティブに取り上げられていることも多く、子どものみならず、大人たちもまた「ひきこもり」をするようなケースも少なくない。「ひきこもり」になる要因は当事者の事情によって異なるため一概には言えない。そこで本書である。本書は「ひきこもり」の当事者たち5人の体験談などを取り上げている。 第一章「いじめに狂わされた人生」 「ひきこもり」となる要因のなか […]

どうしてわたしはあの子じゃないの

他人との比較は、複数人のいる組織はもちろんのこと、友人や仲間の間でも起こりうる。その「比較」を行っていく中で、優越感や嫉妬、さらには後悔などの感情が入り交じることも往々にしてある。そのためか本書のタイトルにある感情が芽生えてしまうこともある。 本書は中学の同級生だった男女3人が、それぞれの言葉・思いを手紙にしたためて、ある種「タイムカプセル」でもって保管。そして30歳になった時にその保管した手紙を […]

パンツを脱いじゃう子どもたち―発達と放課後の性

恥ずかしながら本書のタイトルを見て、つい「クレヨンしんちゃん」の野原しんのすけを連想してしまった。今はほとんどマンガ・アニメでクレヨンしんちゃんは観ないのだが、小さい頃はよく見ており、ことあるごとにパンツを脱いでいたシーンがあったことをつい思い出してしまった(現在ではそういったシーンは放送されていないと聞く)。 私事はさておき、本書は小中学生、そのなかにハンディを抱える子どもたちから発生する「性」 […]

親を頼らないで生きるヒント

本書、もとい「岩波ジュニア新書」は中高生を対象とした新書である。そのため、その方々のために、何をすべきか、そして何を考えるべきかを主軸としている。そう考えると本書はかなり当てはまってくる部分になってくるのではないかと考える。 その理由として、本書はある種の「親離れ」の生き方のヒントを提示している。中学や高校になってくると、思春期・青年期にあたるのだが、親離れを少しずつ行っていき、なおかつ多様な人間 […]

多様な子どもの近代 稼ぐ・貰われる・消費する年少者たち

「子ども」の扱いはもちろんのこと、境遇も時代と共に変わっていく。かつては丁稚奉公といったもので、学校での勉強をせずに働きに出て、社会そのものを学ぶと言ったことがあった。そのため働くこと以外での知識がなく、文字も読めないといった人も少なくなかった。 やがて時代は変わっていき、子どもを取り巻く環境も変わってきた。本書はその子どもにまつわる「近代史」を取り上げている。 第1章「「稼ぐ子ども」をめぐるポリ […]

子どもの算数、なんでそうなる?

皆さんは「算数」が好きかどうか聞かれたときにはどう答えるのだろうか。私は小さい頃から好きでもあり得意科目だった。しかしながらなぜ大学で文系になったのかはツッコミどころであり、答えにくい所である。 私事はさておき、算数の授業の時はどうしてなのかわからずに、公式を覚えたり、本書で取り上げる「九九」を覚えたり、と言ったこともあったのだが、大人の立場になってくると、「なんでそうなるの?」とつい思ってしまう […]

ほんのこども

「子ども」と言うと純真無垢であり、なおかつ可愛い存在とも言える。しかし純真であるが故に、時として残酷な言葉をなげかける、あるいは残酷なことを行おうとすることもある。 しかしそれらは自発的に行うと言うよりも、両親、さらには周囲の人物の影響によるところが多い。本書で登場する子どもたちの親が起こしたある「事件」がきっかけにより、性格や行動が歪んでしまった、いや「壊れてしまった」が適当かも知れない。 壊れ […]

わたしの良い子

「良い子」は何を意味しているのか、もちろん他人から見てとなるのだが、もっとも誰から見ても「良い子」はどういう子どもなのかは私にもわからない。中には「(どうでも)良い子」や、「(他人にとって都合の)良い子」といったカッコがつくようなものや、どこかのお笑いコンビのイメージを持ってしまう。 本書は家族に関しての物語であるのだが、主人公の妹の子どもと主人公の暮らしの物語であるが、子どもの親は蒸発(出奔)し […]