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思い出

クレイジー・フォー・ラビット

人間関係は年齢や年代、さらには今あるポジションなど、あらゆる要素で変化する。もちろん人間関係の中には、学生時代において築いたものが旧交を暖めるように、時間をおいて復活したり、ずっと続いたりするようなこともある。 本書は年代別の人間関係について短編集にて描いている。小中高大のそれぞれの学生時代、そして最後は30代とそれぞれの人間関係、特に友情の変化がどうであったか、もちろん著者の思い出も兼ねているた […]

どうしてわたしはあの子じゃないの

他人との比較は、複数人のいる組織はもちろんのこと、友人や仲間の間でも起こりうる。その「比較」を行っていく中で、優越感や嫉妬、さらには後悔などの感情が入り交じることも往々にしてある。そのためか本書のタイトルにある感情が芽生えてしまうこともある。 本書は中学の同級生だった男女3人が、それぞれの言葉・思いを手紙にしたためて、ある種「タイムカプセル」でもって保管。そして30歳になった時にその保管した手紙を […]

卒業タイムリミット

「卒業までというと「カウントダウン」であるが、本書はそういった別れの雰囲気ではなく、誘拐事件に巻き込まれ緊迫した所から物語が始まる。タイムリミットは72時間。 本書はとある高校の卒業数日前の状況を取り上げている。数日前に突然恩師の先生が誘拐され、ネット動画にて殺害予告が届けられた。しかし届けられた動画は、先生が担任に持っていたクラスの内のわずか4人だった。 なぜ4人か、と言うのが異様に引っかかるの […]

コーヒーカップの耳 阪神沿線 喫茶店「輪」人情話

私自身喫茶店に行くことが良くあるのだが、たいがいは勉強などを行うためのことが多い。静かな雰囲気でありつつ、ちょっとした喧噪が集中力を生み出してくれる。もちろん色々な人との語らいを耳にする事がある。たいがいはネガティブな話なのだが、中には奇想天外な話もあり、小耳にはさみながら勉強しているため、そういった話が耳に残ってしまうこともしばしばある。 それらも全て喫茶店の楽しさの一つである。「一つ」と表現し […]

伝える人、永六輔 『大往生』の日々

永六輔はマルチな才能を発揮した人物である。特に作詞家として、ラジオパーソナリティとしての知名度もあれば、1994年に「大往生」を上梓し、200万部を超える大ベストセラーにまで登り詰め、エッセイストとしても名を馳せた。マルチな才能を持つ一方で、「徹子の部屋」にも幾度となく出演し、好奇心旺盛な側面も覗かせた。その永六輔の生涯については1994年の大往生が上梓された以降の足跡を追っている。 Ⅰ.「ベスト […]

繁栄の昭和

昭和は元号の中で最も長くあった。その時代は大東亜戦争といった戦争を乗り越え、敗戦の悲しみに打ちひしがれても、経済的な復活を遂げ、現代における技術が次々とできはじめた時代であった。そのため大東亜戦争後は本書のタイトルにある「繁栄」と呼ばれる時代であった。 その時代を生き、活躍した方々は数多くいるのだが、その著名な人物の一人として小説家であり劇作家である筒井康隆もその一人である。「時をかける少女」や「 […]

廃園日和

私自身、最後に遊園地に言ったのはかなり前の話になるので遊園地に行ったことの記憶はおぼろげしかない。もっとも言ったといっても故郷である旭川の旭山動物園にかつてあった遊園地で遊んだことがある(どうやら11年前に廃止されたらしい)。他にも中学の修学旅行でニセコリゾートにある遊園地でも遊んだことがあったのだが、それ以来なので遊ばなくなってかなり長い。 私事はここまでにしておき、子供の頃に遊園地に行き、大人 […]

私の名前はルーシー・バートン

本書の主人公であるルーシー・バートンは入院生活を送っていたのだが、回復が思っている以上に遅かった。しかしながらその入院の中で疎遠となった親との出会い、さらに最愛の家族(娘や夫ら)との邂逅もあった。 しかしこの「出会い」や「邂逅」は入院生活を送っているルーシーにとって貴重な「出会い」となったという。その「出会い」は人生において本当の意味で大切なことを知ったように思えてならなかった。 本書を読むと家族 […]

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス

「記憶」はその人の思い出を紡ぎ出すのだが、脳科学者の中にはその「記憶」について改ざんされて出てくると指摘する学者もいる。その記憶によって様々な変化が生じるのだが、その記憶がいかにして物語を紡いでいくのか、そのことを取り上げた一冊である。 その「記憶」がいかにして様々な連なりを見せて、物語を作っていくのか、そのことを取り上げた中編作品なのだが、短いストーリーの中で数多くの記憶が巡り、なおかつ人間模様 […]

八月の青い蝶

もう8月が終わって1月あまり経つ。そう書いてしまうと、夏の暑さが恋しいように見えてしまうのだが、元々自分自身夏の暑さは苦手なので、今のように涼しい方が良いと思う。 私事はさておき、8月というと暑さだけではなく、日本にとっても大東亜戦争、及び第二次世界大戦が終わった時期でもある。その時期に戦争末期の頃、少年だった主人公が65年の月日を経た時にどのような事を回想したのか、もちろん戦争という惨禍もあった […]