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批判

今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

ハンナ・アレントはドイツ帝国にて生まれたユダヤ人であり、ナチズムが台頭してからアメリカに亡命し、自身の哲学を発展させた。有名な著作に「全体主義の起源」がある。1951年に発表された。 本書はその「全体主義の起源」をもとにハンナ・アレントにおける「全体主義」の悪夢を解き明かしている。 第1章「反ユダヤ主義の起源」 そもそも「全体主義の起源」が生まれたきっかけとしてナチズムの台頭にあった。自身がユダヤ […]

日本車敗北―「EV戦争」の衝撃

昨今日本のメーカーでは海外事情による部品入荷の遅れから車の減産が拡大している。ホンダやトヨタを始め国内メーカーもあれば、海外の車メーカーでも減産の動きを見せている。半導体不足と言われて久しいが、その動きも促進している。 車メーカーといえば、ここ最近勢い付いているのがアメリカの「テスラ」である。2020年の株式時価総額がトヨタを超えたというニュースにもなり、そのCEOであるイーロン・マスクがTwit […]

加害者家族バッシング―世間学から考える

海外では人種・身分の差別が根強く残っている所がある。中にはニュースにもなり、差別によって凄惨な事件の引き金になることも少なくない。日本では差別はないのかというと、実際にはそうではない。センセーショナルな事件において、地域や家族を排斥するような動きを見せており、「差別」をしている風潮もある。とある事件にて加害者がいる場合、その加害者ばかりでなく、家族にまでバッシングを行う、さらには差別するといった風 […]

ガダマー入門―語りかける伝統とは何か

本書は哲学的考察であるのだが、ドイツの近現代の哲学者である、ハンス=ゲオルク・ガダマーを取り上げている。ガダマーが逝去したのは2002年。18年前のことである。当時の哲学というと、ハイデガーやハーバーマスといった人物が有名で、ガダマーは私自身も本書に出会うまでは知らなかった。本書はガダマーの哲学について入門書として取り上げている。 1.「ガダマーの伝統的解釈学批判は誤っているのか?」 ガダマーの哲 […]

バッシング論

多くのメディアでは政治・経済・社会などありとあらゆる「バッシング」を起こしている。ここ最近ではそのバッシングは強くなっているように見えるのだが、もっともメディア自体「バッシング」から切っても切れないものである。もっともメディアは「議論」のきっかけを作ることだったにもかかわらず、特定の思想や論調ばかりに偏ってしまい、異論とするだけでも排除される風潮も見られる。 メディアばかりではない。そのメディアに […]

ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。 正直言うと、私自身はテレビのコメンテーターの「多く」は嫌いである。「多く」と書いたのには理由があり、実際にある出来事の当事者になる、あるいは現場で活躍をして、その中の体験で持って、提言をする、あるいは批判をするといったことであれば良いのだが、多くのコメンテーターは様々な所の傘に隠れて言いたい放題言って、誤った発言をしても謝罪しない(ひどい人は開き直るような […]

軍人が政治家になってはいけない本当の理由

今となっては文民統制になって久しいが、かつては軍人も政治に参加していたことがある。もちろん現在も元軍人が政治家として活躍している人もいる。しかし、本書の著者は軍人が、政治家になってはいけないと主張している。それは一体なぜなのか。本書ではその理由を取り上げている。 第1章「自衛隊の東日本大震災対処への賛辞の裏側で起きていた事実」 2011年3月11日東北地方を中心に甚大な被害を受けた。その災害から復 […]

科学者と軍事研究

科学と軍事は密接なものである。かのアルフレッド・ノーベルは化学者として名を馳せ、開発の材料としてダイナマイトを発明した。しかしノーベルの意志に反して軍事的に扱われ、誤報ではあったもののノーベルが「死の商人、死す」と記載されたことに悲しみを覚え、平和を願うために「ノーベル賞」を全財産を投じて創設するよう遺言書に遺したことは有名な話である。 科学と軍事は切っても切れないものであるのだが、それをなるべく […]

医学部の大罪

言うまでもないが著者は東大医学部出身であり、受験や精神医学に関する本を多く出版してきた。しかし自身の出身である「医学部」を「大罪」と称し、批判をしている。医学部出身だからでこそ言えること、そして医学の現場にいたから言えることさまざまであるのだが、本書はあくまで医療、それも医学部を批判していることを基軸にしている。 第1章「超高齢社会に対応できない医学部―医学部の少ない県ほど、寿命が長く、医療費も少 […]

科学の危機

今年は日本人ノーベル賞受賞者が誕生した。生理学・医学賞に北里大学の大村智特別栄誉教授が、物理学賞に東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章教授が受賞するなど、日本の科学は進歩した・明るいというポジティブな意見が出る。 ノーベル賞を受賞することは非常に喜ばしいことなのだが、目をそらしてはいけない現状も科学の世界には存在する。本書は「科学の危機」と題して、科学による悪影響と問題を解き明かしている。 第一章「 […]