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火焔太鼓

志ん生の昭和

落語界において「昭和の大名人」と呼ばれる人物は2人いる。一人は八代目桂文楽、そしてもう一人は本書で紹介する五代目古今亭志ん生である。両者とも芸の流儀が政局胆であり、文楽は全くといってもいいほど几帳面で、一字一句完璧に仕上げており、志ん生は江戸の言葉でいうと「ぞろっぺいな」と呼ばれる芸風、天衣無縫や「面白ければいい」というような印象である。しかしこれは売れない時代に苦心の末、磨きあげた芸風であり、緻 […]