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直木賞

嘘かまことか

今ではそれ程精力的に作品は出していないのだが、著者はかつて「御宿かわせみ」「西遊記」をはじめ多くの小説を世に送り出した。またそれだけで無く「ありがとう」「肝っ玉かあさん」「女と味噌汁」などテレビドラマの脚本を手がけるなどの活躍を見せた。落語ファンであれば、林家彦六(八代目林家正蔵)が演じた新作落語「笠と赤い風車」も手がけた。 その著者は昨年「卒寿」を迎えた。本書の表紙を見てみると「矍鑠(かくしゃく […]

六月の夜と昼のあわいに

本書が出版されたのは10年近く前の話だが、作家の名前だけでいえばホットな人物と言える。というのは先日「蜜蜂と遠雷」で第157回直木三十五賞を受賞したからである。この受賞までに何度もノミネートされるも選ばれないことがあり、ようやくの受賞となった。 ちなみに本書は短編集で様々な趣の作品が収録されている。方や淡い恋を描いているものもあれば、方や仄暗い雰囲気で流れていく作品、さらには人間関係が刻々と変化し […]