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海の石

彼女は「石」のように何も動くことができなかった。 そう、筆談に出会うときまでは。 未熟児として生まれ、様々な病を併発し、命の淵に立たされ続けた。 しかし、筆談に出会ってから、かすかな光が見えた。 暗闇の海に見える、一筋の光のように。 病床の中で出会った筆談、 そこからいのち、言葉、自分、感情、家族・・・ 様々なことを「詩」という名の命を吹き込んだ。 「石」は他人の力で無ければ動かない。 しかしその […]