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神話

無貌の神

本書は短編集であるが、全てダークな話で統一されている。 その中で、最初に出てくるのが表題作である「無貌の神(むぼうのかみ)」である。そもそも「無貌の神」自体は、 クトゥルフ神話に登場する邪神「ナイアルラトホテップ」の異名ピクシブ百科事典より とあり、なおかつそれを題材にした作品としてロバートブロックの同名の小説がある。壮大な世界観で有ながらホラーの要素も多いクトゥルフ神話の中でも無貌の神ことナイア […]

世界の神話 躍動する女神たち

世界にはそれぞれの場所における「神話」があり、その中でも「神」は存在する。日本でも八百万の神と数多あるが、海外における神話でも八百万とまでは行かなくとも、多くの神々が活躍していた。 その中でも本書は「女神」にフォーカスを当てている。「女神」とひとえに言っても、美の女神から強い女神、さらには一風変わった女神まで網羅している。 1.「絶世の美女神」 美女神というと、ギリシャ神話におけるアフロディーテの […]

かみさまのおはなし

日本神話としての物語はいくつもあるのだが、その中でも最も有名なものとして「古事記」がある。神話を取り上げているのだが、それと同時に「日本最古の歴史書」として挙げられることが多く、奈良時代になったばかりの712年につくられたと推定される。 その「古事記」における話について子どもたちへ親しめるため、絵本に仕立てた一冊であり、元々は1940年に出版された「カミサマノオハナシ」を現在にあわせて復刻した一冊 […]

14歳のバベル

旧約聖書の「創世記」に「バベルの塔」なるものがある。それは、 「1.ノアの大洪水後、人々が築き始めた天に達するような高塔。神はこれを人間の自己神格化の傲慢として憎み、人々の言葉を混乱させ、その工事を中止させたという。  2.転じて、実現の可能性のない架空的な計画。」(「広辞苑 第七版」より) とある。本書はもちろん小説なので1.の意味に限りなく近いのだが、そのバベルについて14歳の男の子が見た夢が […]

パンドラの少女

ギリシャ神話の中でも最も有名なもので「パンドラの箱」がある。これはゼウスからの贈り物として箱があったのだが、「決して開けるな」と言われた。しかしパンドラは好奇心に負けて箱を開けてしまい、災厄を飛び出すこととなったことを挙げている。 本書はその「パンドラ」と言う言葉をもののたとえとして挙げている。本章の舞台は完全に崩壊したイギリス、その国の中の荒廃した街の中で発見されたとある少女の存在を描いた物語で […]

日本神話の女神たち

日本は「八百万の神の国」と呼ばれるほど、たくさんの神が存在する。その思想は宗教というよりも、むしろ日本の国土としての考え方にあり、日本にいる民族それぞれに様々な神を崇めることができる土壌があると言っても過言ではない。本書はその中でも女神にフォーカスを当てているのだが、どのような役割を持ったのかそのことについて取り上げている。 第一話「アマテラス」 アマテラスは言うまでもなく「天照大神(あまてらすの […]

笑いの日本文化―「烏滸の者」はどこへ消えたのか?

「笑い」というと日本では、落語・漫才・喜劇などが挙げられる。そう考えると日本文化には必ずと言っても良いほど「笑い」が根付いている。しかし本書は漫才や落語を取り上げている訳では無い。「烏滸(おこ:おろかなこと。ばか。たわけ。)の者」について取り上げているが、簡単に言えば、落語の世界で言う所の「与太郎」、のような存在なのだが、元々民俗学者の柳田國男が、 「進んで人を笑わせ、楽しませる者のことであり、さ […]

神々と肉食の古代史

昨今では当たり前のようにハンバーガーやステーキなど肉を食べる機会が多いのだが、元々奈良時代に聖武天皇が「肉食の禁」が出て、開国を機に解かれるまでは長らく牛肉・豚肉などは食べられなかった。そのことからか兎の肉を食べるときに、兎の耳の部分が鳥の羽と似せられていることから数え方が「匹」ではなく、「羽」と数えられた逸話も存在する。 それはさておき、聖武天皇が肉食の禁を出す以前はごく普通に肉も食べられていた […]

神さまが教えてくれた幸福論

「人にとっての「幸せ」とは何なのか」 それは誰しも問い続ける課題としてあげられる。特に本書のタイトルにある「幸福論」については、アランやB・ラッセルの「幸福論」にもあるように名著としてあげられる作品もある。 では、日本人において「幸福」とは何か。本書は古代に本陣の行き方にあった「ナガタ」「ナガサキ」のことを中心に作家と心理学者が対談形式で紐解いている。 なお、「ナガタ」と言っても名字のことではなく […]

お行儀の悪い神々

ギリシャと日本の共通点、それは財政的に逼迫している所にある、という生々しくも、物騒な話はしない。もう少しきれいな共通点では神話により多数の神々が誕生したことでも知られている。ギリシャと言えば「ギリシャ神話」があり、日本にも「古事記」や「日本書紀」で出てくる日本神話がある。 本書の話であるが、ギリシャ神話に出てくる神々がもし現代のロンドンで生活をしたらどうなるのか、を投影した一冊である。 もしもゼウ […]