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美学

危険な「美学」

「美学」と言うとセンスや雅といった表現が用いられる。もちろんその美学を通して、感性が伝わり、私たちに届けられる要素がある。しかしその美学は「危険」と隣り合わせである。縁遠いように思えるのだが、実はモノ・コトの善悪を判別しづらくなり、善悪つきにくくなり、取り返しのつかないことになるのだという。そもそも美学とは何か、そして美学におけるリスクとは何か、本書ではそのことについて論じている。 第一部「美は眩 […]

なぜ若者は老人に席を譲らなくなったのか

何か「俗流若者論」のようなタイトルを見ているようでならないが、それに対する意見はここでは述べないようにしておいて、戦前の教育では、「修身」という授業があり、日本人としての人徳、マナー、美学などを学ぶ重要な授業となった。しかしこれが「軍国主義の象徴」と見なされ、なくなってしまった。代わりに出てきたのが「道徳」という教科なのだが、本当のところモラルを身につけられているのか全くの謎である。 本書は古き良 […]

「死の美学化」に抗する―『平家物語』の語り方

「日本は死者の国である」 もう何回言ったのかわからないが、怪談話で知られる小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの言葉である。 日本では死んだら宗教によるが、通夜・葬儀を経て墓に送り、そこから一周忌・三回忌・七回忌…というように供養を重ねていく。これほどまで死者に対して礼をつくした宗教は少ないように思える。 さらに日本の文化には「死」というのを題材にした作品も少なくない。「死」というのを考えさせられるば […]