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詩集

ひとりが好きなあなたへ2

昨日の書評で「孤立」と「孤独」の違いを取り上げた。もっとも孤独にしてもネガティブな印象がある一方で、沈思黙考をはじめ、孤独でいることのメリットを取り上げる本はいくつかある。 本書もその一つである。ちなみに本書は11年前に出版された詩集の続編にあたり、独りでいるあなたへ送る詩集と写真を綴っている。 「ひとりが好き」という人はけっこういる。かくいう私も時として「ひとりでいたい」という思いが何度もあり、 […]

この約束のあとで

本書の著者は詩をしたため続けて20年であり、本書は3冊目の詩集である。変わりゆく時代や日常の変化、さらには最新技術への思い、さらには必ずやってくる「老い」と「病」と言った所がひしひしと伝わっていく。 著者自身、18歳からずっと「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」を患っている。「線維筋痛症」とは、 「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこ […]

年末恒例ランキング2012 vol.3 「文芸・評論」本ランキング

今日のランキングは「文芸・評論」本のランキングです。今年は31冊取り上げました。昨年よりは若干少なくなってしまいましたが、それでもおもしろい本を取り上げることができたという印象はありました。(感想の善し悪しは別として) 今年取り上げた31冊の中から選りすぐりの5冊を紹介いたします。 第5位:会社ごっこ 会社ごっこ (本人本) 泉美 木蘭太田出版  2008-06-11 売り上げランキング : 38 […]

花の冠 ~ 震災から一年、今も咲き続ける絆と言う名の「花」

―2011年3月11日 14時46分 日本全土が揺れ、東北で大津波に遭い、多くの命が失われ、家々も失った。 「安全」といわれた原発もメルトダウンを起こし、故郷を失った人々もいる。 地震や津波、それはありとあらゆるものを失ってしまう。 その失ったところに咲く一輪の花。 その花はやがて大輪の花へと広がり「花の冠」となる。 そこには「津波」も「地震」も、「震災」も「がんばろう」もない、 心に花を咲かせる […]

海の石

彼女は「石」のように何も動くことができなかった。 そう、筆談に出会うときまでは。 未熟児として生まれ、様々な病を併発し、命の淵に立たされ続けた。 しかし、筆談に出会ってから、かすかな光が見えた。 暗闇の海に見える、一筋の光のように。 病床の中で出会った筆談、 そこからいのち、言葉、自分、感情、家族・・・ 様々なことを「詩」という名の命を吹き込んだ。 「石」は他人の力で無ければ動かない。 しかしその […]

年末恒例ランキング2010 vol.3 「文芸・評論」本ランキング

年末企画も第3弾。今回は「文芸・評論」本ランキングです。 「理数系」の本と同じようにあまり取り上げられない分野ですが、今年は一応13冊取り上げました。小説や詩集、書評集など幅広く取り上げられています(明日取り上げる「人文」ほどではありませんが…)。今回はその中から印象に残った本を3冊取り上げました。 第3位:詩集 夕暮 今年、初めて書評でチャレンジをしたのは「詩集」の書評でした。昨年の「戯曲」とは […]

詩集 夕暮

普通、「詩集」というと自らの思いや感じたことをそのまま散文的な文章を「オリジナル」で書かれている。そこから作られた文章は論理や理屈といった世界から解き放たれながらも一文一文に、力や思い、情景や趣などが込められており、自ら言葉という名の不思議な世界に溶け込んでいくかのような錯覚を覚える。 しかし本作はそれとはかなり異なっている。簡単に言うと昔の軍歌や流行歌、小説の内容をアレンジしながら詩を作っている […]