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講談社現代新書

今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

ハンナ・アレントはドイツ帝国にて生まれたユダヤ人であり、ナチズムが台頭してからアメリカに亡命し、自身の哲学を発展させた。有名な著作に「全体主義の起源」がある。1951年に発表された。 本書はその「全体主義の起源」をもとにハンナ・アレントにおける「全体主義」の悪夢を解き明かしている。 第1章「反ユダヤ主義の起源」 そもそも「全体主義の起源」が生まれたきっかけとしてナチズムの台頭にあった。自身がユダヤ […]

お金の未来

「お金」に対しての考え方はここ最近大きく変わってきている。その要因としてはビットコインや暗号資産など、見えない「お金」が出てきたこと、さらにはそれが投資として、さらには実際に使う「お金」としての共通通貨として認識され始めたことにある。 では新しい通貨や概念が生まれた「お金」にはどのような未来が待っているのか、本書は著者2人の対談をもとに、新しい「お金」の概念と、そこから生まれる未来を描いている。 […]

オッサンの壁

1972年に「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(通称:男女雇用機会均等法)」が制定された。今年でちょうど50年の節目を迎える。その50年間、女性の社会進出もだんだんと行われていった。その一方で、先日のとある牛丼店における元常務の舌禍もあれば、さらにダイバーシティに反する動きを見せるなど、根底の部分ではまだ平等に反している動き・発言が未だに残っている。 男女平等というと […]

人はどう死ぬのか

よく教育の中で「デス・エデュケーション」というのを聞く。これは「死の準備教育」を表し、アメリカでは1960年代から取り入れられた教育手法である。日本でも1980年代に提唱され始めたのだが、「死」による教育を暗にタブー視したこともあってか、デス・エデュケーションはなかなか浸透しなかった。 もっとも本書もまたデス・エデュケーションの一つとしてどう「死ぬ」のかを取り上げている。 第一章「死の実際を見る、 […]

タテ社会と現代日本

今年の10月12日に本書の著者である中根千枝が逝去した。94歳だった。 女性初の東大教授、学士院会員、そして文化勲章受章と多くの栄誉の足跡を歩んできたが、その根底として、古来から日本にあった「タテ社会」の研究に終始した。その結晶が1967年に、講談社現代新書から「タテ社会の人間関係」が上梓され、数十年に渡ってロングセラーを記録した名作にまで昇華した。 その著者の最期の一冊が本書である。「タテ社会の […]

地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」

国内外の地図には色々な地名や街などがある。中にはかなり特徴的なものまであり、愉しませてくれる。 しかしその一方で、地図から地名が消される、あるいは変えられるといったものがあるのだが、本書では今から10年前に起こった東日本大震災、そして福島第一原子力発電所事故によって、消されそうな街があると指摘している。著者自身は元々北海タイムスや北海道新聞、そして現在は朝日新聞社の記者として活躍し、特に東日本大震 […]

究極の歩き方

自分自身、運動としてウォーキングを行うのだが、実際にすればするほど、足や腰などの負担がどうしても出てくる。特に年を取ってくると、それらの負担は大きく実感し、なおかつそのことにより、普段の仕事でも支障が出てくるようなことにもなりかねない。 本書は元々スポーツメーカーであるのだが、そのノウハウを活かしてライフスタイルにあった靴の開発、特にウォーキングの研究を行い、最新のウォーキングシューズ開発研究に携 […]

あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

「法哲学」と言う言葉をあまり聞き慣れない方も多いかもしれない。法哲学とは、 「法に関して、その制定および運用や様ざまな人の法観念・法感覚、また、法現象とよばれる社会現象等に視点をあてて、哲学的に、平たく言えば、既存の諸概念にとらわれることなく考察する学問分野である」(Wikipediaより) とある。法律などの概念や感覚などを哲学的に考察するため法律の範疇に入るのか、それとも哲学の範疇に入るのかは […]

京都異界紀行

歴史的な場所として知られる京都、かつては首都機能があり、なおかつ皇居も京都にあった。歴史のなかでは長らく日本の中心地となっていた京の都、通称京都は、実を言うと「異界」と呼ばれる場所であるのだという。その「異界」と呼ばれている所以とスポットについて取り上げたのが本書である。 第一章「大社の表の顔と摂社・末社が抱える裏の顔」 「大社」と言うと簡単に言えば神社のことを表している。本書は数ある神社を取り上 […]

「自閉症」の時代

「自閉症」自体の症状はかねてからそのような傾向は存在しているが、学術的に初めて発見されたのは1933年にてアメリカの精神科医にて発見されたと言われている。もっとも自閉症という症状自体は長らく存在したのだが、それにフォーカスが当てられ始めたのは21世紀に入ってからのことである。その根拠としては書物で書かれている「量」にあると著者は指摘している。また自閉症にも21世紀の時代ならではの「傾向」があること […]