TAG

遺伝子

時をあやつる遺伝子

2017年にノーベル生理学・医学賞を受賞した人物にジェフリー・ホール、マイケル・ロスバッシュ、マイク・ヤングの3博士がいる。その博士たちは何を成したのかというと「体内時計を制御する分子メカニズムの発見」と言うものであり、本書の主題になる遺伝子レベルでの体内時計が発見されたと言うものである。 もっとも体内時計自体は人体の神秘である一方で謎が多かったのだがようやく解明の日が来るようになったとも言える。 […]

エピジェネティクス――新しい生命像をえがく

エピジェネティクスとは、 「DNA 一次配列の変化ではなく,ヒストンのアセチル化,DNA のメチル化などの細胞内部の分子的機構により,可変的に遺伝子情報の発現が制御される機構」(「大辞林 第三版」より) とあるが、文字通りでは理解できないところが多いため、単純に「DNAから突然変異した遺伝子のようなもの」と言った方が良いのかも知れない。この突然変異から出てきたエピジェネティクスという産物が、人体に […]

彼女を愛した遺伝子

一昔前「博士の愛した数式」がベストセラーになり、2006年に映画化された。その人気からか二匹目のドジョウをすくう所があったかというと、なかなか見つからなかった。本書はそういったことを意識していないかもしれないのだが、タイトルをつける際に「偶然」二匹目のドジョウになってしまったと言えるのかもしれない。 タイトルの言及はここまでにしておいて、本書の主人公は遺伝子研究者で、女性よりも遺伝子をこよなく愛し […]

おなかの赤ちゃんは光を感じるか――生物時計とメラノプシン

「お腹の赤ちゃんはどのような世界を見ているのだろうか?」 その疑問について私自身も分からなかった。最も胎児の時は目も耳も発達していないため、どういったものが見られるのか全く分からなかったためである。しかし、胎児の視点からどのように光を感じるのか、その研究が進められていたことには驚いた。そしてその感じる光によって赤ちゃんは成長しているということもまた新たな発見であった。本書はその「赤ちゃんは光を感じ […]

生命科学の冒険―生殖・クローン・遺伝子・脳

医学の進歩は目覚ましいと言われている。しかし進歩によっては「生命倫理」として疑問を投げかけたり、批判したりするようなことも起こっている。日々刻々と進化をしている、医学、その中でも「生殖技術」や「遺伝子」といった生命科学がどのように進化を遂げていったのか、本書は「生殖」「クローン」「遺伝子」「脳科学」といった分野にて語った一冊である。 1章「生命の始まりの科学―生殖」 「生殖」と言っても、別に性交渉 […]

娘をダメにする魔の母親遺伝子~Oh, No! I’ve Become My Mother

男性も女性も幸せを求めて生きる。しかし人間関係が上手く行かず、結婚はおろか、恋愛すら立ちゆかなくなることがあるのだという。 特に女性は「母親の遺伝子」により上手く行かなくなるのだという。本書はなぜ「母親遺伝子」が恋愛をはじめとした人間関係が上手く行かないのだろうか。その原因と対策について伝授している。 第一章「母親の影響力」 「私はお母さんの影響なんて受けない!」 と答える方も多いことだが、親子の […]

記憶をコントロールする――分子脳科学の挑戦

「記憶」とは実に不思議なものである。その記憶は時が経つにつれ忘れて行き、思い出したとしてもあやふやなものになってしまう。繰り返し覚えたとしても、覚えることを繰り返さなければ、覚えられなくなってしまう。 「記憶」はあやふやに覚えてしまうと、コントロールされてしまい、記憶そのものも都合のよいように作り替えられてしまう。 本書は「記憶」にまつわる研究について「短期記憶」「長期記憶」などを中心に素朴な疑問 […]

「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか―パーソナルゲノム時代の脳科学

ありとあらゆる考えや感情などを司る「こころ」はいったいどこからきたのか、未だに完全な解明はでていない。 本書もあくまで一説ではあるが、「遺伝子」という観点から「こころ」はどう決められるかというメカニズムを追っている。 第1章「こころはどこにある?」 本章ではまず脳や遺伝子(ゲノム)のメカニズムの概要を見ながら「こころ」とは何かについて迫っている。ふと疑問に思うのが「こころ」は遺伝子で決められるのか […]

遺伝子学者と脳科学者の往復書簡 いま、子どもたちの遺伝子と脳に何が起きているのか

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。 「遺伝子学者」と「脳科学者」 まさに「異色」の往復書簡である。本書の冒頭に川島教授がネタばらししているが、郵便やメールでの「往復書簡」ではなく、あくまで専門的な所を分かりやすく説明する形で、対談の話を膨らませたものである。それを「往復書簡」という形にして出している。 しかし、ネタばらしをしてわかったのだが、それを知らなければ「便箋」で長文の文通をしているよ […]