「まずい!!」学―組織はこうしてウソをつく

組織行動においてなぜ失敗が繰り返されるのかというのを説いた一冊。本書は「パロマ湯沸かし器事故」「ふじみ野市プール事故」「『あるある2』番組捏造事故」を題材にしており、後半には「沖縄集団自決事件」を題材にして、条約派と艦隊派の対立など多くの事例を扱いながら組織の「まずい」を紹介している。

率直な感想としては、現在「食品偽装」騒動等が行われている中、少し前の事件について説かれている本は時代遅れとはまったく言えず、むしろ現在進行形という観点で読んでいくといい1冊であった。また、歴史認識問題、とりわけ沖縄集団自決についてもっと深めたい人にももってこいの1冊であった。

コメント

  1. つき指の読書日記(140)

     大江健三郎『沖縄ノート』(岩波新書)への旧帝国軍人の起こした名誉毀損の民事裁判で、被告大江氏に対し一審・地裁で無罪判決が出た。歴史事実に対しては氏がそう判断、論じても当時の状況下では問題ないとした内容である。明らかに史実がそうでない以上は、前に書いたように、教科書検定にまで野党が政治的圧力をかけるのはいかがなものか。
     確かに歴史認識には、残念ながら時の勢いというものがある。いまでこそ自虐史観と認識され、しかも他国の史料が一部は公開され、そのことを多くの国民が明確に知り得るようになった……

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