テレビ政治―国会報道からTVタックルまで

今日の政治は「ワイドショー政治」と言われている。本書を読んでもそう言っているし実際国会をTVで見ている私もそう思えてならない。ではテレビ政治はいかに始まりいかに効果があったのだろうかという検証をしているのが本書である。

テレビに関してはねつ造というのが出てきたとはいえ新聞みたいに文脈を変えることもできない。失言で揚げ足を取るとはいえ、まだありのままのことを映しだしているほうである。そういう理由もあったかなかったか定かではないものの戦後最も長く首相の座についた佐藤栄作は退陣会見の時に記者団全員を締め出して一人テレビカメラの前で退陣の弁を語ったというのは有名な話である(もともと佐藤栄作は新聞記者を信頼しておらず偏向的に文脈を変えられるのではないかと思っていたほどである)。

このことを機に政治は当然TVを使って国民に政策を突いて説かなければいけなくなった。TVは当然政治的関心を広めるためにワイドショーなど報道バラエティーを増やしていった。

現在ではインターネットが急速に普及しブログや動画サイトなどコンテンツも増加したことにより政治的関心の変容が起こっているのも事実である。しかし動画等については公職選挙法で未だにできないところが多いのでこれはこれからそうなるということの推測でしかない。

今やインターネット技術の進化によりTV離れは進んではいるものの、まだまだTVの影響力は大きい。しかし主要キー局の報道(バラエディー含む)は「政治部」があることにより政治がらみにまつわる偏向報道が多いというのも事実として挙げられる。前述のようであるならばもっと国民にありのままの報道がなされるべきではないのだろうか。