江戸城・大奥の秘密

TVドラマや映画において「大奥」は多く放映、もしくは上映され社会現象にまでなったことは記憶に新しい。しかし、あれだけ多く放送されていたのにもかかわらず大奥に関する実情というのはいまだに多くの謎に包まれていることも事実である。

放映に乗じて大奥に関する文献が多く出ててもである。しかしそれもそのはずである。本書の前書きでも書かれているが多くの真では男人禁制のイメージは強いが、将軍をはじめ多くの重臣が出入りすることはできたがその代わり「他言禁止」という誓約書を書かなければいけない掟があった。大奥の間で勤めたり、出入りした人は数知れずではあるがそれを日記に書くことも許されていないことを考えるとそれに関する情報が少ないというのはしょうがないかもしれない。

TVドラマでも多くの恐ろしさと大奥の間が伏魔殿であったことが刻銘に伝えられていたが、本書でもそれが如実に書かれていたので、本書を読んでいる間は戦慄が走った。

またタイムリーなものといえば現在NHKで「篤姫」が放送されているが、本書でも第6章にてわずかながら取り扱われている。本書は昨年発売されたものであるが、1年たった今でも(むしろ今の方が)タイムリーな感じがするのは私だけだろうか。