日本の刑罰は重いか軽いか

本書は日本の刑罰と中国の刑罰を比較して、日本の刑罰の実情について書かれている。本書を読んでみると中国の刑罰は非常に狭いことには驚いた。しかし逮捕されると厳罰が待っている、つまり中国の刑罰は非常に狭いが死刑にかかわる罪が非常に多く毎年1000人以上死刑執行されていることも明らかになっている。

では日本は一体どうなのか。日本は中国と逆で逮捕される罪の範囲が非常に広いが刑罰自体はそのほとんどが軽い。しかも死刑に問われる罪は殺人など人殺しに関する者しかないのも実情である(反面中国では賄賂や通貨偽造なども死刑である)。これを考えると日本の刑罰はいかに軽いかということがわかる。

日本もあまりよろしくはない者の中国を見習うべき…と言いたいところだが刑務所事情を語るとそうは言えないというのも事実である。ついこの間宮崎勤元死刑囚をはじめ3人の死刑執行が行われたという報道があったが、今年の執行数は累計でも10人いるかいないかである。中国では毎日何人かの死刑がいまでも執行されている計算になる。

話をもどすが、現在日本の刑務所事情は非常に困窮している、犯罪者の増加が背景にあるのだが、受刑者の収容数が軒並み100%を超えており新たな受刑者の受け皿がだんだんと少なくなっているのも現状にある。厳罰化はやるべきではあるものの、それに対する刑務所の受け皿をどのように増やすべきか、そして再犯をどのように防止するのかという課題がまだたくさん残っているのも現状である。