ブータンに魅せられて

普通の国では豊かさの尺度としてGDP(国内総生産)を用いている。しかしブータンは違っていてGNH(国民総幸福)を国王が提唱し、用いている。ブータンは経済発展は著しいが、その中で降伏によって国を豊かにするという物差しに使うのは非常に珍しい、というより唯一ではなかろうか。

ブータンは日本と比べたら非常に貧しい国である。しかし心も貧しいのかといわれるとそうではない。おそらくブータンの人々のほうが豊かかもしれない、私自身はブータンに直に触れたことはないのでわからないが。しかしブータンは心が豊かな国でも当然のごとく問題を抱えている。その一つとして南ブータン移民問題があげられる。

当然日本のメディアでは扱われていない問題である。本書でも書かれているが第四代国王からひそかに対策を講じてきてはいるが解決には至っていない。しかし長い目で解決を行っているように中枢では尽力している。

とはいえブータンの幸福を希求する姿勢についてはそれを忘れかけているわれわれ日本人も見習わなければならない。