象徴天皇制と皇位継承

「象徴天皇制」は大東亜戦争終結後、GHQによって作られた憲法(日本国憲法)第1条によって明文化され、天皇は象徴的な存在となった。もともと天皇は絶対君主というより軍事や政治の統率権は天皇にあった。

それらを統率するには高度な政治力だけではなく、非常に大きい人徳も必要であった。天皇家はその両方を持つ唯一の存在であった。ではなぜ戦後憲法により象徴天皇制になったのかというと、大東亜戦争が終結し敗戦処理を行ってきた連合国と日本。その中で戦争犯罪人を裁くために次々と戦争にかかわる要人を逮捕してきた。

しかしある人物をめぐって戦勝国らが衝突してしまった。それが天皇訴追に関してである。イギリスやオーストラリア、隣国である朝鮮や中国はそろって天皇を訴追し2000年以上続いている天皇家の血筋を立たなければならないと主張してきた。今でもイギリスやオーストラリアはこれに強く否定し天皇家の廃止を強く訴えているという。

しかしアメリカはというと、議会の中でも天皇制の廃止を訴える人が多々見られた。GHQは複雑な立場であった。しかし最終的に判断したのはGHQと国務省であった。天皇を免責し、少し悪く言えば天皇をわれわれの傀儡にし、日本人をアメリカ礼賛にしようと画策していた。

それに天皇は日本人にとって精神的支柱にあったのでもし天皇家が断絶してしまったら、日本としてのアイデンティティが維持できなくなってしまうという心配もGHQには少なからずあったのではないかと考える。これにはまだまだ議論すべき余地があるとされている。

コメント

  1. ちくま新書『象徴天皇制と皇位継承』

    「妃殿下の病因」について
     ちくま新書『象徴天皇制と皇位継承』(笠原英彦・著)を読んだ。 悠仁親王ご誕生で中途半端に終わった皇位継承問題をいまごろ出版するなんて、なんともタイミングがはずれた新書だと思いながら読んだのだが、読後の感想としては、あの有識者会議の主要メンバーたちの主張が、よく代弁された本だった。終わりつつあるひとつの時代のモニュメントだと思った。
     著者の記述には、ふたつの基本的なまちがいがあって、ひとつは「万世一系」に対する誤解だ。世代内継承と直系継承を話題にあげたり、持統……

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