タイアップの歌謡史

「歌」というと何らかのイメージを持っている。歌が持っているイメージもあるが、タイアップの曲のように、ドラマやCMのイメージが先行してしまうことも捨てきれない。例えば、「ラブストーリーは突然に」や「SAY YES」とかはそのイメージがすごく大きい。

本書はこのようなタイアップ曲の歴史について紐解いていく。それらは戦後TV番組が生まれた時からそのタイアップの歴史は始まった。今となっては数多くの曲がCMのイメージソングやTVドラマの主題歌、アニメの主題歌、大会のイメージソングに使われ、その曲自体がそれらのイメージになっている。

本書にも書いてあるがタイアップに関しては浜田省吾は反対の姿勢をとっている一方で、多くのタイアップソングを作ってきた小田和正や吉田達郎の意見も非常に興味深かった。

そして90年代と比べると今はCDの売り上げが落ち込んでいること、そしてTV局の行き過ぎたタイアップについても言及しているところも勉強になった。

タイアップソングの「明」と「暗」、それぞれが入り混じって本書ができたという誠に素晴らしい1冊であった。