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2008年7月

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の続編。 本書では3年で辞めた若者の行き先……ではなく団塊の世代を中心とした「昭和的価値観」と我々のような今の若者の「平成的価値観」の違いについて考察している。 昭和からバブル時代にかけては日本では「終身雇用」であり、会社のために働くという風潮が長く続いた。それによる影響もあるせいかその中で急激に経済が成長し、GDPでは世界第2位にまで上昇した起爆剤となった一因があ […]

レバレッジ時間術

本書は「レバレッジ・リーディング」の続編で、レバレッジの時間術を伝授する1冊である。そもそも「レバレッジ」というのは一体何なのかというと、物理的に「てこの原理」と言われ、てこを使えば少ない力で大きなものを動かすことができる原理のことである。要するに少ない力で大きなものを得るということであり、副題となっている「ノーリスク(ローリスクというべきか)・ハイリターン」がまさにそれと言える。 簡単に言えば効 […]

日本語の奇跡

日本ほど、字や語彙組み合わせの多い国はない。しかし、なぜこれほどまでに多くなってしまったのか。そしてなぜこれらは生まれたのか。それを解説をしているのが本書である。 日本語のルーツの本についてはタミル語からきているという本にはであったことはあるが、こちらは中国の儒教の文化から、飛鳥時代以降の日本の歴史も兼ねてそのルーツを探っているところが特徴であると私は本書を見てそう思った。しかしカタカナの誕生につ […]

オリエント急行の時代

オリエント急行の歴史は殊のほか長い。1883年にパリ〜イスタンブールで運行されたのが始まりであった。その後世界大戦により途中運行中止があり、戦後再開されたが東西冷戦のあおりから1977年に廃止された、しかしその5年後の1982年にスイスの会社が購入し、観光目的で新たなオリエント急行として、運行を始め現在にいたる。 本書では「走るホテル」としてのオリエント急行、それに通過する国々の紹介を第1部に取り […]

神の領域を覗いたアスリート

本書は一流スポーツマンとしての境地「ゾーン」を8人のアスリートのエピソードと、頂点に上り詰めた者たちの受難、日本シリーズのあれこれ、元スケート選手とアメフト部の監督の対談という構成で成り立っている。 一流スポーツマンというのは非常に特徴的であり、その人の人間性というのが各違った「ゾーン」を見出していた。特に印象的だったのが千葉すずに関する話である。本書では「とがった個性」として表しているが、中身を […]

大帝没後

大正時代というと激動であった明治・昭和と違ってやや影を潜めたというイメージがある。なにせたった15年しかその時代はなかった。「一世一元」が定められてから最も短かった時代である。 しかしそのなかでも「激動」はあった。大正デモクラシーである。それにより原敬という平民宰相が生まれ、戦前の民主主義を象徴する時代でもあった。しかしそれと同時に社会主義運動の時代が活発になり始めたのもこのころであった。 本書で […]

ブータンに魅せられて

普通の国では豊かさの尺度としてGDP(国内総生産)を用いている。しかしブータンは違っていてGNH(国民総幸福)を国王が提唱し、用いている。ブータンは経済発展は著しいが、その中で降伏によって国を豊かにするという物差しに使うのは非常に珍しい、というより唯一ではなかろうか。 ブータンは日本と比べたら非常に貧しい国である。しかし心も貧しいのかといわれるとそうではない。おそらくブータンの人々のほうが豊かかも […]

イタリア・マフィア

マフィアというとアメリカやロシア、中国というイメージがあり、そこでは麻薬売買や政財界との多少のパイプを持っており、それらを裏で支配し荒稼ぎしているという考えを私は持っていた。 本書ではイタリアにおけるマフィア(イタリア語で「コーザ・ノストラ」と言うそうだ)の存在について書かれているが、ここで書かれていることを見ると想像をはるかに絶する。政財界と関与していたり麻薬の売買を行っている文言はあったが、そ […]