老いはじめた中国

現在中国は高度経済成長も踊り場に差し掛かり経済が交代しだしてきたころである。この中国が追い始めたというのだから国がもう何千年もの歴史を積んできたのだからそろそろ滅びるのかと邪推をしたりもした。

しかし本書では、中国は高齢化しつつあるということを言っている。つまり「一人っ子政策」により人口増加も横ばいとなり、毛沢東政権下での「産めよ・殖やせよ政策」世代が60歳以上に差し掛かろうとしている。つまり前述の政策内で大量に生まれた子たちが今老人になりつつあり、彼らが高齢化社会に拍車をかけているといっても過言ではないというのである。本書の第1章はそんな内容である。

第2章は地球にやさしくなれるかだが、中国人の性質上無理と断言していい。確かに中国当局は経済成長優先ではあるが、環境政策にも動き出さなければならないということもあって複雑の様相を見せている。しかしその国内で暮らしている人々はとにかく裕福でいたい、貧乏から脱出したいという気持ちが必死となり、環境対策などやっていられるかという人がほとんどである。驚くことに本書ではこの中国による環境破壊はこれから本格化していくというから油断できない。

第3章以降は経済と外交についてである。ここでは便宜上同時に見ておきたい。最初にもいったが現在の中国経済は高度成長の踊り場に到達し、今年はサブプライムローン問題の余波もあり、経済は大きく後退した。とはいえまだまだ成長するので日本も油断できない。経済と言えばちょっと外交とリンクするが、日本と中国の関係は「政冷経熱」と言われている。実際私自身はこういう関係のほうがいいと思っている。政治的には中国当局と言うのは1党独裁政権で動いている。しかも国民が行う選挙は一切行われていない。

当然そんな国に政治的に友好を深めるというのは私自身不可能だと思っている。そういう国を相手すれば相手するほどその国が顰蹙を買うことになる。しかし中国は高度経済成長期。経済的に言ったら日本は中国にとって大手の貿易国である。当然日本にとっても、中国にとっても見過ごすわけにいかない。

だから「政冷経熱」が一番いい状態と言える要因である。しかし中国では5年先であるが、次期国家主席の争いはすでに始まっている。現在では習近平が一番近い存在ではあるが日本にとってはもっと悪い状態になりかねない。つまり江沢民前主席に近い思想であるという。現在北京オリンピックが行われているが、終了後も中国との関係にも注目が集まるだろう。