強い会社をつくりなさい

本書は30年の間にわずか3回しか減益をしていないという中小企業経営のカリスマである武蔵野社長の小山昇氏が「強い会社とは何なのか」、「強い会社にするには」を自らの経験をもとにして説いた指南書である。

ここで疑問に思ったのが「強い会社とは何なのか」である。「高い利益率を上げる会社」なのか、「つぶれずに長く存続できる会社」なのか、著者の会社のように「長い間利益を伸ばし続けられる会社」なのか。おそらく見ている本書を見ている限りでは最後の所が強い会社なのだろう。

さてその強い会社にするためにはどうすればいいのか。本書では働く意義から始まり、仕事の心得、時間の心得、コミュニケーションの心得、組織の心得、お金の心得、自己啓発の心得、教育の心得、非常識の心得に分かれている。本書を読んでみると形式ばったものが1つも載っていない。会社のやり方ひとつひとつに「心」が込められているようだった。それが力となり今日まで成長し続けた証なのかと思った。

そう考えると、多くの企業ではもうやめたほうがいいのではというようなことがいくつもある。しかし「伝統だがら」や「いつもやっている」という理由で片付けるのは非常にもったいない。経営者をはじめ企業の中枢にいる人たちこそ本書を読み、もう一回会社の中身を見直すことが日本企業の躍進、ひいては日本経済の底上げの一つの起爆剤になるのではと私は思う。