小池式コンセプト・ノート

自民党総裁候補の一人である小池百合子氏の著書はいくつかあるが今回はあえて「女性」というよりも環境相時代における「マーケティング術」そして「プロジェクト術」について書かれているものを選んだ。もしも小池氏が総理になったら本書のような戦略をスライドして国益にむずびつけるのではないかという考えだからである。

本書では環境相の時に提唱された「クールビズ」をいかに広めたのかという戦略について書かれている。クールビズは当初は斬新であり抵抗感がある人も多いようであったがしかしいつの間にか抵抗感なく受け入れられており、いまや夏の服装として定着しているというのも事実である。しかもフランスをはじめとした海外でもそれに追随する動きを見せているという。それまでは1年中スーツにネクタイというのが常識だったがあえてこその常識から1歩外れた発想を持つことこそ小池式の常識の始まりとも言える。

そして第3章ではいよいよ環境問題について焦点を当てているが、ここでは環境問題の現状をインパクトを与えている。環境問題の本質と少しずれている気がするし、当然私のような懐疑・否定論者が黙ってはいないが、そういった呼びかけに際しての広め方も小池氏の功績と言えよう。環境問題がこれほどまでに関心の高い問題となったのは2000年代、とりわけ小池氏が環境相の時からであることを考えるといかに小池氏の現状を訴えるインパクトの強さが大きいのかがわかる。

現在は総裁選に向けて尽力をしているが、麻生氏が1歩抜きんでた形となっている。しかし小池氏はただでは起きない。何かサプライズをやってくれるに違いないと私は思う。