業界分析 組織の経済学

新制度経済学の応用として様々な業界はこの新制度経済学的にどのようであるかを考察した1冊である。

のちの書評のために第1章は特に挙げておかないといけない。

第1章は「マス・メディアの比較制度分析」という名であるが、ここでは「新聞」「テレビ」「インターネット」について分析している。新聞は時事的なものにまつわることについての情報量が膨大であるが速報性に大きく劣り、最近では歪曲されやすくなっている。インターネット影響も一つの要因のように思えるが新聞の販売部数も軒並み減っている。「新聞を読んで世の中をよく知れ」と言われるが最近ではインターネットのニュースの質が大きく上がっているせいかそれに対する信頼感が薄れている。

新聞によっての報道の仕方の違いを見るために読み比べるのはいいかもしれない。むしろ新聞を購買のための文句として「少しは新聞を読んで、新聞社の悪口1つ言えるようにしろ」と言ったらどうだろう。一方テレビは速報性に優れている、その一方で感情的になりやすく一種のカルトのようになりやすくなる影響もある。

さらにここ最近伸びているインターネットは速報性はテレビに劣るものの優れている。客観性も新聞ほどではないものの優れている。新聞とテレビの間の役割と言いたいところだが、内容の質で言うとインターネット全体で考えると難しいが、個別で見ると新聞やテレビよりも質のいいものもあるがそれよりひどく劣るものもある。質を考えるとピンからキリまである。ただしインターネットは新聞やテレビにはない強さがある。

それは時事的なことについて感想を述べることができ、それを共有することができる。インプット・アウトプット的な役割両方持つことができる画期的なものである。それにより新聞離れ・テレビ離れが起こっており、両メディアはインターネットを適していることも事実である。本書での結論としてはまだ棲み分けができていないというところである。

テレビとインターネットの境界であるが今はできていないとあるが、ネットはできてまだ間もないメディアであり、どの位置付けが正しいかもまだ分かっていない。しかし逆を言えばインターネットにはまだまだ無限の可能性を秘めているといってもいい。新聞やテレビを完全に飲み込んで1つのメディアとするのだろうか、あるいはどちらにも属さない独立したメディアになるのか、まだそれを解明するのには時間がかかるだろう。