史上最強の人生戦略マニュアル

「日本を変えよう」と同時に発売された本書。翻訳者の勝間氏が人生の中で最も影響を受けた1冊であるという。

プロローグはオプラの裁判から始まる。裁判を戦略としてそして人生自体を戦略として勝ち抜く力ということを感じた所である。特にオプラの心境の変化は戦略という概念をもって劇的に変わったというところがこのプロローグの伝えたかったところだろう。

第一章「問題がひとりでに解決することは、絶対にない」
自分が抱えている問題のほとんどは自然に解決をすることはない。本書にも書かれているように複雑化するなど悪化してしまうのである。それを食い止めるために最善の策をより正確により早く見出すことが肝要である。そして問題を上げるということも大事である。問題を対処するには問題を挙げ原因を見つけ戦略を立てていくことこそ成功者への第一歩となる。そして問題を解決するための根幹として

「正しいのかどうかではなく、うまくいっているかどうか」(p.53より)

に限るという。

第二章「本当に生きてるということ」
「ものを理解する=生きていく上での世の中の仕組みを理解する」ことで生きていることを実感すという。要は人生の法則①にあるとおり

「ものがわかっているか、いないか」(p.58より)

である。ただこの章は哲学や宗教と混同されやすいかもしれない(特にそういう本を読んでいる私がそうだった)。しかし物事を知ることはまず情報を集め、そして正しい情報を見極めるという所にある。そうでないとギリシャのソフィストのような存在となってしまう。

第三章「自分の選択と態度に焦点をあてる」
ここで2つ目の人生の法則が出てくる

「人生の責任は自分にある」(p.84より)

責任があるからでこそ自分で切り開かなくてはいけない。もし人生を相手に委ねてしまっても結局そのツケは自分に返ってくる。

第四章「「見返り」が行動を支配している」
人は自分が有益になるように行動する。実際損を承知で動く人も中に入るがわずかであろう。

第五章「問題はあなたが認めるまで悪化していく」
まさにそのとおり。自分の非を認めない限り変わっていかないというのが事実である。これは偽装事件や不祥事問題でも証明済みだろう。

第六章「違うことを「する」」
本章はマンネリ度診断テストというものがある。1度試してはどうだろうか。

第七章「過去の出来事を言い訳にしない」
まず人生の法則よりもこっちのほうが心の奥底にきた。

「人生に何が起きようと、その出来事をどう解釈するかはあなた次第である。」(p.224より)

この後にも文章は続くのだがつまりは自分が体験した出来事をどのようにとらえ、これからのことの糧にしていけばいいかも考える必要がある。それによって人生が大きく変わる場合もある。

第八章「今すぐに人生計画を立てる」
人生は当然思い通りにいくことはない。しかし捨てたものでもない。当然生きる目的を明らかにすることが大事であるが、そのうえでどのように達成していくのかも必要である。本書に書いてあるとおり「あなた自身の人生」なのだから

第九章「見返りを断つ」
非常に難しいかもしれないが大切なことであるという。しかし見返りを求めてしまうことは自然なことであるが、その見返りをどのようにしてたてばいいのかというのがここにはある。

第十章「憎しみはあなたの心を変えてしまう」
憎しみに限らず、嫉妬、嫌悪など負の感情によって心の貧しさを露呈してしまう。しかし逆の法則のような「許し」や「感謝」というのは自分・相手ともにプラスにさせる魔力を秘めている。気持ちの持ち方で自分自身の人生が変わってくるのが本章である。

第十一章「あなたのゴールラインはどこか」
人生にはゴールはないというと嘘になる。その中で何を目指すのかというのを考えなくてはならないことを本章で教えてくれた。

第十二章「ガイド付き人生の旅」
この章はほとんど課題で占めている。しかし前章までの実践編としてやってみてはどうだろうか。紙と鉛筆さえあればそれでいい。

第十三章「目標設定の七つのステップ」
まとめと言ったところである。

第十四章「自分の公式を見つけよう」
おそらく書評ブログで成功本の多い理由がここにあるのではないだろうか

「成功例を学び徹底的に研究しよう」

成功例を学びそれを実践することにより、より正しい選択ができる。まだまだ私たちには可能性が秘められているというわけである。
道標となるものかなと思っていたら「良い意味で」肩透かしを食らったような感じだった。というのは課題の多さにあった。その課題の中で自分の目標、そして生きる指針を見つけだすというのが本書の狙いだったのではないのかと思った。そう考えると名言集にも思えてくるし、勉強本に思えてくるが本書はまさに、

「ただの勉強本とは違い、善く生きる、目的をもって生きるためのバイブル」

という位置付けになるのであろう。勝間氏が最も影響を受けたのも、全米で370万部売れたのも、そして書店やamazonで売り切れが続出するのも窺える。これこそまさに「良書」である。