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2008年9月

おまけより割引してほしい

おまけというと何か自分でも喜べるものである。割引もおまけよりは劣るものの自分が得した感じになる。 それはさておき、本書は「経済心理学」の観点から日本人の消費者行動を考察している。まず最初に言及しているのが大学生の消費行動に関してである。高校生までは一応アルバイトはあり、小遣いももらうことがあり、そして実家で暮らしてお金は使い放題であったため遊ぶことに集中できた。 しかし大学生になってからはそうはい […]

「失われた十年」は乗り越えられたか

1990年代前半にバブルが崩壊し、経済は長く減速した。奇しくもバブル時代後期に当時の「エコノミスト」の編集長であったビル・エモットが「日はまた沈む」を発売し、日本はこれから長い不況に陥るだろうと予言したが、まさにその通りの展開となった。それから北海道拓殖銀行や山一証券など大手企業が次々と倒産。 倒産しなくても大規模なリストラにより、失業によって路頭に迷う労働者も急激に増えた。また就職事情も氷河期化 […]

「生きづらさ」について

本書は雨宮氏と萱野氏が現在起こっている「生きづらさ」について対談したものである。「生きづらさ」というと本書では貧困(ワーキングプアやプレカリアート)、それによる若者の自殺の増加によるものである。とりわけ雨宮氏はそういった活動をいくつか起こしている。ちなみに途中では「右翼」と「左翼」の定義について対談しているが、巷では「ネトウヨ」など右翼的な論調で書く人もいる。 それとは逆に左翼的論調で書く人もいる […]

競争しても学力行き止まり

昨年の4月に43年ぶりに「全国学力テスト」が再開された。学力の競争原理を身に付けさせるという目的で行っている。私はそれについては複雑な立場である。競争原理は必要不可欠であるが、それによって落ちこぼれをどうすればいいのか、そして学力格差で下に追いやられた学校はどのような立場はどうなるのかという心配もある。ちなみにこのような教育方法はイギリス型教育モデルであるという。 本書はいま日本が行っているイギリ […]

環境問題のウソ

本書は環境問題にまつわる様々な嘘を暴いている。今や環境問題については賛成論ばかりではなく著者や中部大学の武田邦彦教授らの否定・懐疑論も盛んに言われ始めている。ようやく環境問題について両面的な意見が出てき始めたことにより活発な議論が期待できる。 しかしそれで待ってばかりではいられないのも現実である。環境問題について様々な妄信を切っているが武田邦彦教授の本が人気先行しただけに本書が日陰の存在となってし […]

使う力 知識とスキルを結果につなげる

最近私のブログでも、ほかの書評ブログでも成功本や戦略本の書評がよく書かれている。それだけ成功者の作法を学んでいきたいという表れであろう。 しかし、その価値というのは実際に実行してみないと分からないものが多い。 ではどのようにその得た知識を使えばいいのかというのを紹介したのが本書である。 第1章ではビジネスリーダーの基本要件であるが、ここでは「使う力の位置付け」を定義している。ビジネスリーダーとして […]

コア事業進化論

本書の表紙を1つめくった所にこう書いてあった。 「どんな事業にも寿命がある。  それがコア事業なら企業の存続も危うくなる。」(一部抜粋) 事業を行うにあたり平家物語にある「盛者必衰の理」の如くいくら繁盛していても、いつかは崩れる時が来る。それが本業、いわゆる「コア事業」であった場合であるならばつぶれる危険性もあるというわけである。とはいえ安定している企業でも何度も存亡の危機に陥ったことはあると考え […]

ユダヤ人 最後の楽園

ユダヤ人は「旅の民族」とも言われる。さらにいえば第二次世界大戦中もっとも迫害された民族でもある。なぜヒトラーをはじめナチスドイツはユダヤ人を嫌悪し、迫害したのだろうかという考えになる。 本書の第2章で書かれているがヒトラーはユダヤ人を非難した根源はヴェルサイユ条約やワイマール共和国によってユダヤ人がドイツ人を牛耳ってきたことによるひどい反感から来たものであるという。ちなみにこれを公的に主張したのは […]

日はまた昇る

世界で最も売れている経済誌であるイギリスの「エコノミスト」の元編集長であるビル・エモット氏が前書バブル崩壊を予測した「日はまた沈む」がベストセラーになったが本書は戦後最長の好景気となった時に書かれた1冊であるがその時にビル・エモット氏はこれからの15年は「強い日本」になる。 日はまた昇る、と分析した。このときは中国の景気は日本を凌駕するのではないのかという心配があった。日本は経済成長は着実に進んで […]

金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス

サブプライムローン問題から1年経った。その1年経った今でも景気回復のめどは立っておらず、サブプライムローン問題の解決の糸口すら見出していない状況である。 本書はそういた問題はもとより金融に関する様々な権力について書かれている。 最近投資ブームといわれて久しい。特にそれほど年収の稼いでいない人でも株をやって儲けたという話をよく聞く。私は一切やる気はないのでそれはどうでもいい話だが、事実そういうおいし […]