千円札は拾うな。

表題からしてインパクトがある。
「はじめに」の所で理由が書かれていた。

「千円札を拾うと目線が下がり、ほかのものが見えなくなる(p.4より)」

簡単にいえば目先の利益にとらわれるな。それを見逃していいからもっと大きな利益の所に行けということ。そういうことを言っている。大きな利益を得るためには成長すること、しかしその成長は変化がないといけない。成長という利益を得るためにはそれに値する犠牲が必要である。そう、何も犠牲がないまま成長や利益を得ることはこの世にはない。

第1章「成果を生み出す「時間」のとらえ方」
お金は手に入れようと言えば手に入れられる。しかし時間は24時間あるからそうにはいかない。忙しい人もたくさんおり、その中で時間をいかにやりくりしなければいけない。本書では

「勤勉は悪、努力は報われない」
「残業をやめれば給料が増える」
「自分でできることは自分でしない」

と言ったことが書かれている。タイム・マネジメントは大事であり、かつ時間に対してどれだけのことをつくりだせるのかも重要な要素である。本書で書かれている内容は若干突飛なように見えるが、日本の労働に欠けているものをうまくとらえられている

第2章「利益をもたらす「お金」の上手な使い方」
お金というのは使いようにより、さらなる利益を生むこともあれば、逆に大損をしてしまい破産に追い込むこともある。

第3章「大成する「いい男」「いい人材」の見抜き方」
「いい男」というのは絶えず自分磨きに奔走する。それはビジュアル面でも教養の面から言っても同じことかもしれない。若いうちから自分をどんどん投資していく。最近私を含めた若い人がお金を使わなくなった。もっとも毎月8万〜10万預ける人もいるというほどである。今は落ち着いてはいるが昨今のインフレーションがあったために遊ぼうと思っても高くつき、さらには消費しても見返りがあるという保証はだんだんなくなっている。ただ言いたいのは預金をするのは自由だがその預金の半分でも自己投資をすべきなのではと私自身セミナーや本を買っている身からして思った。

第4章「トレンドを捨て、「本質」を貫く考え方」
特に印象的だったのが「「似合うスーツ」を着てはいけない」である。似合わないスーツを着る、それを長く続けることによっていつの間にかそのスーツが似合う人になる。地味な人がものすごくワイルドな服装をいきなりしたら違和感があるが、そのことにより外見や印象もだんだんと変化していく。なるほど、印象を変える手段はいくつでもあるということか。

表題の意味は前書きの時点でわかったが、その本質が本書になっているという構成である。小さい利益を犠牲にしても後々の大きな利益をかけたほうがよっぽどいい。若い時分から目先の利益にとらわれずもっと自己投資を行い、未来の利益のためにまい進していくことも重要であるが、これに気づく人は一体どれくらいいるのだろうか知りたいところだ。