ビジネス説得学辞典―交渉を支配する986の戦略・理論・技法

ビジネスにおける説得について様々な方法があるということをまざまざと見せつけられた1冊である。

何せ全部で986の戦略・理論・技法があるというから驚きである。
本書の中でも印象に残ったものを紹介する。

「愛国心メッセージの効果」(p.3より)

「愛国心」については散々当ブログでも取り上げていたが、まさかこれが説得の範疇にはいるとは思わなかった。しかし分からないでもない。愛国心をもっていることは自然の原理であるが、それに乗じていくというのも説得の一つと言えよう。

「イエロー・ジャーナリズム」(p.22より)

簡単にいえば信憑性のないものを大衆化すること。もっと簡単に言うと当ブログの代名詞。自虐的になってしまった。

「カクテル・パーティ現象」(p.66より)

騒がしい状況にあっても関心のあることは、耳に入るという。セミナーの懇親会、もしくは飲み会ではよくあることかもしれない(少なくとも私はある)。

「ことわざ」(p.155より)

これは結構重要。ことわざを知っていれば知っているほど人生が豊かになる。そしてそれだけ語彙が広まるので説得力向上には持ってこい。お気に入りの1冊に「ことわざ辞典」なんて言うのも一興かもしれない。

「身長」(p.246より)

身長が高いほど権威や強さを表すという、と同時に私の最大のコンプレックスである。周りが身長の高い人ばかりだと私は当然雲隠れの存在に。私みたいな身長低い人には痛い単語であった。

「デマ」(p.355より)

ビジネスとはちょっと離れるが戦後日本がこれだけ貶められている大部分はデマによるものである。当前戦時中、日中戦争や大東亜戦争において数多くのデマによる抗日・侮日運動が行われた。しかしデマをつくるというのも一つの戦略として挙げられる。国民党や中国共産党はこのデマを巧みに操りアメリカなどの列強国から多大な武器や資金等の融資があり日本との戦争を泥沼まで追い込んだといっても過言ではない。そう考えると日本の国家は戦前・前後ともにデマというのに非常に弱い。それを見破り、逆にデマによって相手の国を貶めるすべを国家はなるべくなら身につけていただきたい所である。最低限デマを見破る能力だけは、である。

「バーナム効果」(p.395より)

「○型自分の説明書」がいい例だろう。
ほかにも説得学の中で面白いものから使えるものまで出ているため、交渉や説得を生業としている人にとっては1冊あれば鬼に金棒である。