不況に負けない再就職術

本書は今から約6年前に出版されたが今の就職活動状況とやや似ているところもあるので購入した。想像を絶するリストラ劇から、どのように転職をするのかという所について克明に描かれている。自債に中小企業では「派遣切り」と言ったことや、それより上の企業でもリストラが相次いでいる。悲惨なものと言えばまだまだあり、大学卒業を控え企業から内定をもらった大学生はそろそろ卒業研究、もしくは卒業論文を執筆している矢先に「内定取り消し通知」が来たことにより、就職活動をやりなおさなければならないという事態にまでなっている。

これについて端を発したのがリーマンブラザーズの倒産による株価の急落であるが、それについて割を喰らっているというと労働者や中小企業であろう。さらに円高のニュースや株価の急落ばかりで日本の景気が悪くなるというニュースばかりであるが、消費者にとっては必ずと言ってもいいほど悪いものではない。特にレストランや日用雑貨店では「円高還元セール」と言ったものから、原油高の高騰が落ち着いたことによりインフレが小康状態となった。

それはさておき、これから派遣切りやリストラのあらしが吹き荒れることだろう。その時に派遣会社から、そしてハローワークでは本書でのルポのように殺伐とした状態になるであろう。
ではどうすればいいのかということになる。当然この状況下で転職をするとなると相当なリスクを背負わなくてはならないのは明白である。その中でまずやるべきなのは、「自分自身の棚卸」であろう。自分が仕事をどのようにして成功にしたのか、これからどのようなことをしたいのかというのを考えるべきである。

本書にはちょっとおもしろい「裏」ワザが載せられていた。

・手土産を用意する
・社訓の暗誦
・応募企業に日参

と言ったものである。最初にもいったが本書が出たのは今から約6年前であるためもしかしたら通用しないこともあるし、さらに言うと人事担当者もこれを読んでいる可能性が高いのでやるには細心の注意を払ったほうがいいかもしれない。とはいえこういう本が出ている担当者は何人いたか知らないためこの裏技が通用するかも知れないと考えたり。

経済が急激に減速したことにより路頭に迷う人もいれば、就職難にさらされる人も出てくるだろう。そういった中で自分のキャリア、そして自分自身を見つめなおすこともまた大切である。その中で自分は何に向いているのかというのが大切になってくるが、だからと言って過度の選り好みは禁物である。自分の首を自分で絞めることになりかねない。