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2008年12月

サンタクロース学

今日は「クリスマス・イブ」である。仕事と書評に生きる私にとっては無縁のことであるというと、何かさびしい気が起こるので、私情はここでおしまいにしておく。 本書のタイトルを見ると一見不思議な学問である。サンタクロースを学問としているのだからクリスマスとサンタクロース、それをどのようなことを考察しているのだろうかという興味を抱き本書を手に取った。ちなみに本書は「哲学の学校」シリーズであることを見ると、何 […]

嫌老社会 老いを拒絶する時代

今や日本は「高齢化社会」から「高齢社会」、やがては「超高齢社会」とまで言われるようになる。医療技術や食生活の質が上がってくるにつれて、だんだんと長寿というのが当たり前になってきた。浮かしは「長寿の神」というのが崇められてもおかしくないときであったのだが、「長寿」が当たり前の今の時代を考えると「長寿の神」が崇められるというのはむしろ必要ないのではと思ってしまう。 本書では、 「いま考えるべきは「老い […]

年末なので

書評ばかりだったので今回はちょっと徒然の記事を。 年末年始なので28日から来年1月4日まで、故郷の旭川に戻ります。 考えてみれば旭川に戻ったのはGW以来ですな。それからは引っ越しやら何やらのゴタゴタで変えることもほとんど考えられず、このまま過ぎっていったわけですが、一応年末ということなので故郷に戻ろうかと。 さて、下にもあるとおり、ネタを一つ 「年末までに“カタ”をつけたいことは何か?」 というこ […]

平和の発見―巣鴨の生と死の記録

ちょうど60年前の今日、A級戦犯7人が絞首刑に処せられた日である。 東京裁判が結審した時も60年前。当ブログでは数カ月にわたり東京裁判についての本を書評してきた。今回はちょうど一区切りということで本書を選んだ。ちなみに本書は昭和24年に初版されたのだが、今年の終戦記念日に新装復刊された一冊である。 本書は東京裁判にあたって、そして7人の死刑囚の巣鴨プリズン内での姿をありのまま映している。とりわけ明 […]

フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」

フェラーリと鉄瓶を比べてみたら、ちがうとしたら値段が月とスッポンほど違う。共通する点はどこにあるだろうと考えてみる。鉄瓶にしてもフェラーリにしても実用的でありかつデザインを良くするために一本の線も妥協を許さないことにある。フェラーリと鉄瓶は一見関係ないように思えるがこういう所で共通点が存在する。それを為すための人がそう、「デザイナー」である。 本書はフェラーリやマセラティなど車をデザインしたデザイ […]

今や多数派“ワケあり社員”が戦力化するすごい仕組み

皆さんは「ワーク・ライフバランス」というのをご存じだろうか。簡単にいえば仕事と生活とのバランスを大事にするという考えをもっていたが、確かにその通りではあるのだがそれは女性のためにとか仕事と生活が半々になるようにということではない。仕事と生活が調和がとれることこそ「ワーク・ライフバランス」である。ではこの「ワーク・ライフバランス」の実情、実践例について本書では取り上げられているので見てみよう。 1章 […]

書評はまったくむずかしい

私は約1年半書評を行ってきた。これからもそうするつもりでいるが、最近では乱発という具合に書評ブログができ始めその中でも人気ブログとなっているものもいくつかある。 「書評」というのは簡単に言うとほんの感想や論評を行うことを言う。こう簡単にいえば誰でもできるのではと思う。当然書評ブロガーも多数いるためそういう風潮にあるようだが、本書は赤坂氏の書評とともに書評の難しさについても取り上げられている、そのこ […]

最高指導者の条件

李登輝が総統の座を退いてから8年が経過した。それでも総統の座に復帰してほしいという人も中にはおり、さらに相当以上に精神的指導者としての存在は非常に大きい。そのことから中国では警戒人物として挙げられているほどである。 台湾のことなので、日本人にとっては人事ではないのかというかもしれないが、もともと李登輝は戦前日本に留学しており、創始改名もした。日本軍にも属していたほどである。 本書は最高指導者として […]

世界一高いワイン「ジェファーソン・ボトル」の酔えない事情―真贋をめぐる大騒動

私はワインのことについてはあまり詳しくはないのだが、本書でワインにまつわる様々なことについて書かれているため前知識が必要に思える。さて本書のことに入るとする。本書は1985年に起こった「ジェファーソン・ボトル」についての真贋騒動を描いたノンフィクション作品である。まずこの「ジェファーソン・ボトル」について詳しく書くことにしよう。 「ジェファーソン・ボトル」、このジェファーソンはアメリカ第3代大統領 […]

壁をブチ破る最強の言葉

私はいまはほとんどやらないが、大学4年あたりまではどっぷりと麻雀にのめり込んでいった時がある。私はマージャン歴は結構あり、小学5年生の時からだが、その時から麻雀に関する本に読みふけっていたということを今も思い出す。プロ雀士では小島武夫を憧れとしていたし、「雀聖」阿佐田哲也や20年間無敗であった「雀鬼」桜井章一に関する漫画も読んだことがある。 本書はこの中でも独特の人生訓を持つ「雀鬼」桜井章一の人生 […]